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【旧版】Crystal Asiro【クリスタルアシロ】  作者: wiz
第3章 『神の世界』
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邪神の領域『エリトラ』

レフトの領域『エリトラ』に到着し、神殿に入る。

そこでライトが受ける周りからの態度は・・・。

「「「お帰りなさいませ、我らが破壊神様。」」」


 レフトが馬車から降りれば、待っていた奉仕種族達が一斉に頭を下げる。

続いてクリスタルとルーグが降りる。


「「「ようこそ、レイレード国王様、ルーグ閣下様。」」」

「ああ、暫く厄介になる。」

「歓迎ありがとうございます。暫くの間、宜しくお願い致します。」


 最後にライトが馬車から降りる。


「「ようこそ、創造神様。」」

「ありがとうございます。」


 先ほどより、歓迎の声は少ない。

それが奉仕種族達からの、ライトへの不遇である。

それに気づかないレフトではない。


「アンタ達!! ライトにもちゃんと礼を尽くシなサい!! 折角ここまで来てくレたのに!! 消し去ってやルわよ!?」


 その殺気の混じった声に、奉仕種族達は体をびくつかせる。

そして頭をしっかり下げて、挨拶をする。


「「「先ほどは申し訳ございませんでした! ようこそ創造神様!」」」

「あ・・・・、うん、あリがとうね。」


 遠慮がちにライトは礼を言って、四人で神殿内に入る。



 神殿に入って暫く歩いてから、レフトがライトに謝る。


「・・・・ごめんなサい。まだアタシのとこロもあまリ態度が改善シなくて・・・・。」

「いいよ、レフトのせいじゃないもの。僕の所も君に冷遇してしまったしね・・・・。」

「こればかりはお前達だけで解決は出来んだろう。少しずつでも周りの認識を改善していかないと、これらは改善しないだろう。」

「ソうね。アタシももっと頑張ってみルわ!」

「俺達も出来るだけ手伝うから、二人も無理せずにな。」

「フフッ、ありがと皆!」


 神殿内部は全て黒の大理石で出来ており、金の装飾がガス灯の明かりに照らされている。

『邪神の神殿』と言う割には、荘厳で煌びやかな雰囲気である。

敷かれているカーペットも、ふかふかとしていて土足で歩くには勿体ないほどである。

その神殿の最奥にある、レフトの部屋の手前の特別待遇部屋にクリスタルとルーグは案内される。


「いつも通リ、二人はここで寝泊まリシてね。ライトはこの部屋の向かいの部屋でいいかシラ?」


 その言葉に不満げな声をあげる者がいた。

レフトの彼氏のライトである。


「僕、レフトと寝泊まりしたいなぁ・・・・。ダメかな?」


 ライトはレフトの腰に手を回して捕まえると、彼女の顔に自分の顔を寄せて、優しく問う。

それにレフトは耳まで赤くする。

若干涙目にもなっている。


「な・・・・ッ!! ス、好きにシたラァ!!? アタシ知ラない!!!」


 ライトの腕を振りほどき、レフトは自室へと走っていく。

そんなレフトを眺めて、ライトはニヤニヤと笑う。


「も~!! 素直じゃないんだからぁ~!! そこが可愛いんだけれどもね!!」


 ライトはルンルンとレフトの後を追いかけ、彼女の部屋に入る。

残された二人は、下らない茶番を見た後の様な表情のまま、一先ず部屋で荷ほどきを始めた。

__________


 夕食の時間になり、四人は大食堂で揃って食事を始める。

出てくる料理はどれも肉や魚ばかりであり、少しだけ果物があるだけの食卓である。


「肉が食えるな。だが・・・・。」

「僕の事は気にしなくてもいいよ。果物だけ食べさせてね。」

「ライト、肉類は食べられないからな。俺の分の果物も食べてもいいからな?」

「ごめんなサい。シェフには『ライトはお肉は食べラレないから、気を付けて』と言っておいたのだけレども・・・・。」


 申し訳なさそうに頭を下げるレフト。

それに「いいよいいよ!」と明るく声をかけるライト。


「僕が来るのが急すぎたんだよ。仕方ないよ。それに、果物はあるから、レフトは気にしないで。」

「でも・・・・。」

「ま、主催者としては気にせざるを得ないよな。来賓に苦手なモノばかり出しちまうってのは。」

「まあまあ、僕の所でレフトがあんな目に合ってるから、僕としてはこういう事されるのは気にしてないよ。僕はレフトに対してのあの冷遇は嫌だったけれども・・・・。」


 皆色んな意見を述べつつ、食べられるモノを食べていく。

ライトは皆から果物を貰って食べ、残る三人は肉や魚を堪能する。

幸い赤ワインはあったため、それらは四人で仲良く飲む事にした。


「ライトの所のワインとは違って、酸味が強くアルコール度数も高いな。」

「お肉に合う様な味にシてルシ、ソもソもワインが高級品なのよ。ブドウがなかなか育たないかラ。」

「そういう事情か。ライトの所と仲良くできればいいんだがな・・・・。」

「そう簡単に上手くいかないだろうけれども、多少なりとも取引したいよね!」


 四人の晩餐は、もうしばらく続く。

ここまで読んで頂きありがとうございます!

今回のお話はいかがでしたでしょうか?


今回はライトが冷遇されるお話でした。

レフトの冷遇とは違い、何とか三人で対応できるものでしたが、気分は良くないものです。


次回はレフトの領域の視察です。



厚かましいですが、創作の励みになりますので、良ければ評価をお願い致します。


改めて、読んで頂きありがとうございました!


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