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【旧版】Crystal Asiro【クリスタルアシロ】  作者: wiz
第2章 国としての交流
29/58

神の世界へ

国際会議最後の取引相手は、ライトとレフト。

その会議内容とは?

 レイレード王国で開かれている国際会議も、いよいよ終わりを迎えようとしていた。

最後の交渉相手はライトとレフトである。

 今回も正式な交渉と言う事でクリスタルとルーグ、そしてライトとレフトも正装をしている。

シンプルで洗練されたデザインの衣服を身にまとう二人と二柱の図は、まさに壮観である。

いつものようにクリスタルが脚を組み、資料を見ながら交渉を進める。


「では交渉でも始めようか、創造神殿に破壊神殿。」

「そうだね、始めよ・・・・、始めましょう。」

「ライt・・・・、ライルート様、口調が乱れていますよ。」

「ソレは貴方もよ、ルーグ・・・・閣下。」


 交渉早々に普段の仲の良さが出てしまっており、口調が崩れている者が数名出ているが。

ライトが苦笑いを浮かべて提案する。


「・・・・普段の口調で喋っていいかな? どうしても人が居ないと敬語が抜けちゃうよ。」

「それ俺も思った~! もう普通に喋るか。」

「ソうよ! もうこのメンツだけシか居ないんだかラ!」

「いいのかこんな緩い会議で・・・・。」


 一気に雰囲気がいつもの四人の会話の緩さになってしまう。

それでも内容はしっかりと進める。


「で、今回の俺の要望は『果樹用の農薬の取引』『飼育動物の輸入』だ。前者はライト、後者はレフトに頼みたい。」

「僕はいいよ! 代わりに僕は『畑の収穫機械の技法』を知りたいな!」

「アタシもいいけど、『飼育用の餌の輸入』シてね? 儲かラないかラ。」


 クリスタルの性格を知っている以上、ライトとレフトは早速要望を言う。

長い煽てがあるより、こちらの方がクリスタルの性格に合っているのを二人は知っているからこそ、スムーズに進められる交渉だ。

 クリスタルとルーグはそれぞれの要望を聞き、少し悩む。

そしてルーグがクリスタルに提案する。


「ライトの内容だと、俺らの収益が少なくなるな。クリスタル、もう一つ何か軽めの要望を出さないか? それと皆、アフタヌーンティーいるか?」

「なら、内容をもう少し変えさせて貰うか。『果樹の飼育方法』ではどうだ? アフタヌーンティーはくれ。」

「僕も欲しいな!」

「お菓子も出してね!」


 アフタヌーンティーの話まで出している交渉だが、今まで一番の交渉の進み具合である。

ルーグが一度退出し、アフタヌーンティーを用意しに向かう。

残ったクリスタルとライトとレフトは続けて交渉を続ける。


「アフタヌーンティーが出てくるまでに交渉同意書作ろうぜ。お茶やら菓子やらで汚れちまうから。」

「賛成! サッサと話進めルわよ!」

「だね! 交渉のお話に戻ると、技術の交換の内容だよね? 機械はクリスタルの国から輸入させて貰って僕が知識を得ればいいけど、果樹の飼育方法はどうやって伝える?」


 ライトの疑問にクリスタルが顎に手を当て考える。


「そっちの技術者をこちらに呼ぶのもな・・・。だがその逆もちょっとな・・・。」

「死者が神の世界に来るのは、住んでいる神からいい顔はされないからね。『死んだ者が神の世界を汚すな』って。」

「アタシの所だと、信者を増やソうと襲ってくル神がいルわ。ソレは危険よ。」

「・・・あ。」


 二柱が悩んでいると、クリスタルが声を出す。

そしていつものニヤリとした顔をする。


「決めた! 俺が視察に行く!」

「結局そういうオチなのね・・・!」

「貴方、本当に視察好きよね~。いいじゃない!」

「え、何? 視察するのか?」


 アフタヌーンティーセットをカートに乗せて入って来たルーグは、何事かと三人を見渡す。

そんなルーグにクリスタルが近づき肩を叩いて、告げる。


「ライトとレフトん家に遊びに行くぞ! 上司命令だ!」

「『視察』を『遊びに行く』って言うな! わかったけどさ!」


 クリスタルの唐突の命令に、ルーグはツッコミながらも同意する。

そしてアフタヌーンティーを用意しつつ、菓子も差し出す。

今日はマカロンやプチケーキ、サンドイッチ、ミニバーガーなどがある。


「先に頂きまース!」

「おい! まだハーブティー入れてないから待ってろ!」

「でもつまみ食いしたくなるよね! クリスタルの所のご飯美味しいもの!」

「だろ? 選別してるからな!」


 アフタヌーンティーをしつつ、座談会となった交渉の場は穏やかに進む。

そして途中で契約書を作るのを忘れていたのを思い出すのであった。

__________


 国際会議が終了し、その数日後。

クリスタルとルーグは自室で支度をしていた。

クリスタルの悪癖である、当てのない旅の支度の時とは違う。

 今回は召使い達も支度に参加する程、正式な視察用の支度である。

ドレスや軽装、装飾品まで用意されている。


「ここまで準備しなくても良くないか?」

「正式な視察だからダメだ。適当な服で行ったら笑い者だぞ。」

「だが支度が遅いだろ。さっさと遊びに行きたい!」

「だから『視察』を『遊びに行く』って言うな! 子供かよ!」

「俺は立派な大人だぞ!」

「大人は正式な仕事を『遊びに行く』とは言わないからな!?」


 コントを繰り広げつつ、ルーグも自身の支度を進めて終わらせる。

召使い達は忙しなく動くが、その耳は国のトップによるコントに集中している。

支度が終わり、ルーグはクリスタルと自分の荷物を持つ。

そしてクリスタルは何もない空間に『切れ込み』を入れ、神の世界へのゲートを作る。


「行ってくる。対処は任せた。」

「行ってきます。何かあれば俺に連絡を入れてくれ。」

「「「行ってらっしゃいませ。国王様、ルーグ閣下。」」」


 二人は神の世界、まずはライトの治める領域に向かう。

ここまで読んで頂きありがとうございます!

今回のお話はいかがでしたでしょうか?


今回はライトとレフトとの交渉のお話でした。

仲良し故に、誰も周りに居ない時に気が緩んでしまう時は、誰しもあるかと思います。

彼らは特にその傾向がありますね。


次回は番外編です。内容は見てからのお楽しみに。



厚かましいですが、創作の励みになりますので、良ければ評価をお願い致します。


改めて、読んで頂きありがとうございました!


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[一言] 遊びに行く言い訳が"視察"になりかねない…w
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