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【旧版】Crystal Asiro【クリスタルアシロ】  作者: wiz
第2章 国としての交流
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晩餐会二次会

晩餐会終了後、クリスタルとルーグに「部屋まで来るように」と言われたライトとレフト。

部屋を訪ねてみると・・・?

 ライトとレフトは、ルーグの部下からの伝令を聞き、晩餐会後にクリスタルとルーグの部屋にやって来る。

ノックをすれば、「入ってくれ」と声が聞こえる。

そして入ると___


「いらっしゃーい☆」

「お疲れ様。何か飲むか?」


 先ほどの威厳は何処へやら、既に寝間着姿のクリスタルとルーグがいた。

クリスタルに至っては既にワインを飲んでいる。


「お疲れ様ー! いやぁ、久しぶりだね! 旅してたんでしょ?どうだった?」

「パジャマでパーティースルの楽シソうだかラ、アタシ達もパジャマ着ちゃった!」


 レフトの言っている通り、ライトとレフトも寝巻である。

『友人として』いつも通り挨拶をし、ソファに座る。


「ルーグ、僕にもワインお願い!」

「アタシにもお願い!」

「はいはい。ちょっと待ってな。」


 ルーグはクリスタルのワインセラーから持って来た、年代物のワインをグラスに注ぐ。

芳醇な香りがふわりと漂う。

香りだけでも先ほどの晩餐会の時に振舞われた酒より、かなり良い品物だとわかる。

それをライトとレフトの前に出し、自身の分も用意する。


「全員グラス持ったな? 今日は飲むぞ!」


 クリスタルがワインのグラスを空け、それを皮切りに三人もワインを飲む。

熟成されたブドウの味わいにアルコールの味。

それらが合わさり、何とも言えぬ上品な味わいがする。


「あー美味しい! クリスタルの持ってるワイン、本当に美味しいよね!」

「わかル! いいモノ持ってルわよね~!」

「俺もクリスタルも管理に気を付けているからな。」

「せっかくだから、旨い状態で飲みたいだろ?」


 先ほどの『代表として』ではなく、『親しい友人として』四人は楽しく過ごす。

酒も話も進んでいく。


「ソういえば、この前行っていた二人旅はどうだった?」

「いやぁ、今回もなかなかに濃い国や世界があったな!」

「本当、毎度唐突に旅するの止めてくれよ・・・。」


 レフトの話にクリスタルも乗る。

ルーグの悲壮な呟きに、ライトは「お疲れ様。」と肩をポンと叩く。


「クリスタル、本当にルーグにも気遣ってあげなよ? 君の我儘に振り回されてるルーグ見ると、可哀そうになってくるよ。」

「上司だからいいんですぅー!」

「ま、ルーグはもともと世話好きだかラ、命令で無くともクリスタルの世話スル気はシてルわ。」

「それだけの給料貰ってはいるし、ピアス開けてる仲だからなぁ。」

「ルーグ、君お人よしが過ぎないかい? 大丈夫?」


 ライトの慰めに、クリスタルが「お前が言うな」とツッコむ。


「そもそも『善神の最高神』であるお前が、この中では一番のお人好しだぞ?」

「でも僕は人じゃないもん! 神様だもん!」

「じゃあ、『神様好し』?」

「クリスタル、それなんか語呂が悪いし、神にだけ優しい意味合いになりそうだぞ。ライトはそういうタイプじゃないし。」

「フフッ、ありがとルーグ!」


 にこにこと笑うライトの様子は、晩餐会よりも穏やかな雰囲気である。

友人として過ごす故に、気が抜けているようだ。

レフトも同様に気が抜けているようで、足を組んで一気にワインを飲む。


「あー、もう飲み終わっちゃった。ルーグ、おかわリ頂戴!」

「自分で注げ! テーブルに数本あるだろ!」

「分かってないわね。誰かに注いで貰うのがいいのよ~。」

「じゃあ僕が注いであげるよ! レフト、どれ飲みたいの?」


 ライトがレフトに笑顔でそう問えば、レフトは顔を赤らめて首を振る。


「い、いいわよ! 自分でやルかラ!!」

「遠慮しないで! あ、コレとかレフト好きじゃないかな? ほら、グラス出して?」

「いいかラ! ソこまでシなくていいの! 本当に!!」

「ルーグはワイン注いでもいいいのに、僕はダメなの・・・?」


 悲しそうに言うライトに、レフトはさらに慌てる。


「だって、貴方に注いで貰うなんて思ってなかったんだもの!! それに・・・・。」

「『それに』?なぁに?」

「ソの、何というか、彼氏に良くシて貰うの、は、恥ずかシいというか・・・・。」


 顔を赤らめ、もじもじしながら答えるレフト。

それが酔いからではないのは、本人も周りも分かっている。

レフトの反応に気を良くしたライトは、レフトを抱きしめる。

その顔は、もはや威厳の欠片もない程のデレデレ顔である。


「もう~! そういう事なら素直になればいいのに~!! 照れ屋で可愛いんだからぁ~!!」

「ライト!! お願い、離シて!! 二人がいるのよ!!?」


 恥ずかしさのあまりに半べそをかくレフト。

しかしライトはそれでも尚抱きしめる力を緩めない。


「クリスタルとルーグだよ~? これくらい何てことないって!」

「いつものだからな。好きにやってくれ。」

「俺達に構わず、どうぞいちゃついてくれ。」

「三人のバカぁー!!」


 レフトの叫びが、部屋の中で木霊する。

だが、それも三人に笑われるのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございます!

今回のお話はいかがでしたでしょうか?


今回は晩餐会後の四人のプライベートな仲を改めて見せられたシーンでございました。

クリスタルはともかく、残る三人はかなり仕事とプライベートでは態度が変わるのが分かったかと思います。

そしてライトとレフトの仲や、そんな二人の扱いに慣れているクリスタルとルーグの様子も書けて良かったです。


次回は他の国との交渉場面の様子をお届けします。



厚かましいですが、創作の励みになりますので、良ければ評価をお願い致します。


改めて、読んで頂きありがとうございました!


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