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にとり、鉄路を開く  作者: びゃくいこうづけ
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『機関車』を見つける。【プロローグ編】

河城にとりはほとんど出ません。とりあえずプロローグを作ってみた結果このようになりました。余裕ができたらこのシリーズをMMD化しようと思っています。

拙い文章ですが、よろしくお願いします。

 人外が蔓延る博麗神社。これだけ聞くと禍々しい場所のように聞こえるが、普段は平和でのんびりした場所である。そんな雰囲気の中、妖精が3匹、ひそひそと喋りながらやってきた。日の光の妖精、サニーミルク、月の光の妖精、ルナチャイルド、星の光の妖精、スターサファイアだ。ただやってきただけなら「平和でのんびり」なのだろうが、どうやら深刻な様子である。見かねた神社の巫女である博麗霊夢が、声を掛ける。

「何の用?」

少し不機嫌そうに言うと、ルナチャイルドが待ってましたとばかりに答える。

「神社の裏の細い道を大きな機械(?)みたいなものがふさいでるの!」

「あんたら飛べるから関係ないじゃないの」

あきれたように霊夢が言うと、妖精達は少し残念そうな顔をする。

「どこ?」

この一言で、妖精達は少し元気を取り戻すと案内するよとばかりに機械のある方へ歩き出した。

 3分ほどだろうか、少しばかり神社から歩いたり場所には、妖精達はもちろん、霊夢も過去に見たことがない塊が鎮座していた。それは凸型をした赤色の大きな物体で、何やら茶色の鉄製の棒の上に円盤のようなものを介して佇んでいる。かなり大きく、神社へ続く道を完全にふさいでしまっている。霊夢が、鬼の伊吹萃香などに頼んでどかしてもらおうと思っていた矢先、サニーミルクが思いもよらない発言をする。

「この機械、使えたらなんだかおもしろそうね!」

「いたずらにも使えそう!」

スターが続く。どうやらただ撤去しておしまいとはいかなくなりそうだ。とは言っても霊夢はもちろん、発見した妖精達も使い方どころか使用用途すらもわからない。このままでは進まない。仕方がないので、道具の名前と用途がわかる森近霖之助という道具屋に来てもらうことにした。

 霖之助曰く、どうやら道に鎮座していた物は、外の世界では「機関車」と呼ばれている機械で、人や物を載せた「客車」や「貨車」を引っ張るための機械なのだそう。また、その下にあった茶色の鉄の棒は、「レール」というもののようだ。霖之助は、一通り説明し終わると、一仕事終えたような様子でそそくさと帰っていった。

 霖之助が帰ると4人とも途方に暮れた様子で『機関車』の処遇について話し合っていた。決定的な案はなかなか出ない。そんな時に、遠くの方から『おーい』という声が聞こえた。そこには宴会の屋台の打ち合わせにやってきた河城にとりの姿があった。皆、口をそろえて『この人だ!』といわんばかりの満足げな表情を浮かべ始め、それを見たにとりは神妙な心持ちになるのであった。

 博麗神社に続く裏通りで妖精達が見つけた機関車についての説明が、霊夢からなされると、にとりはそれに興味深々であり、目を輝かせながら、『私にお任せを!』という言葉が出るまでほとんど時間はかからなかった。結局、放置されていた機関車は、敷かれていたレールごと河城にとりが所有することになり、彼女の家の周りには、ひときわ目立つ物体が数年にわたり置かれることとなった。

 新たな『機械』を手にしたにとりだったが、にとり自身も機関車に触れたのは初めてだった故、知識は皆無と言っても過言ではなかった。そこで、専門書もたくさんあると噂の紅魔館の図書室を訪れ、いくつかの本を借りることにした。借りてきた本には、機関車の仕組みといったにとりが得意な機械工学的な分野から、鉄道の歴史まで、様々なことが載っている。にとりは、基本的な仕組みについては理解できたものの、細かな部品の作り方などはわからないままであったため、それから数年間は、普段の仕事の他に鉄道の研究をすることになるのであった。数年間の鉄道の研究を経て、にとりは機関車を人前で走らせるだけの知識を得ることに成功した。いつもなら、すぐに研究の成果を見せるにとりであったが、今回ばかりはそうはしなかった。なぜなら、彼女には機関車を動かすだけではない、更なる計画を立てていたからである。(次回に続く)




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