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やがて再び神となる少年は恋愛に夢を見すぎている   作者: ゆうと
第Ⅰ章:アカデメイア
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第23話:ホープ

 


「ソーメン最高…!」

 陸人がニヤニヤしながら大量のソーメンをすすっている。

 蕎麦の時といい、そんなに麺類が好きだったっけ?

 はっ⁉ まさか……

「ソーメンも転生前の食べ物?」

「そうそう!」

「ソーメンなだけに?」

「うわぁ…………そういうの親父ギャグって言うんだよ」

 親父ギャク―――何やら残念な響きのある言葉。

 こう、褒められているような。

 でも、恥ずかしいような……不思議な響きだ。

 それに、例えば父さんやクルドおじさんが言う恥ずかしい冗談と同程度だって評価コメントだと思うと……うん。絶対に褒め言葉じゃないな。

「で? 陸人が転生者で、カイトは記憶喪失中の神だって?」

 三バカ兄弟も、わが家のリビングでズルズルと大量のソーメンをすすっている。

 出汁が美味いって褒めてくれたのは、イルルだけだよ。

 ありがと。

「あ、メンバー以外には内緒な。オレひょっとしたら神か、その眷属かなぁって話題になってさ」

「ふ~ん」

 ズルズル。

「ちなみに陸人が転生者っていうのは、自己申告。こっちも内緒な」

「ふ~ん」

 ズルズル。

 ズルズル。

 ズルズルズル。

 ズルズルズルズルズル……

「え⁉ まさかそんだけ?」

「まぁ、陸人は陸人だし? カイトもカイトだし?」

「あっ! カイトが神様ならさぁ、祈ったらお願い事を叶えてくれ………ないか」

 ルルル、自己完結しないでほしい。

 ひょっとしたら叶えてあげられちゃうかもよ?

「はぁ~、無能神カイト」

「なんでだよ⁉」

「叶える力があったら、お前もう、モテモテじゃん?」

 ハルル、ひどいぞ?

「今、カイト君、まったくモテてません」

 イルル?

「ゆ・え・に、やっぱりカイトに願いを叶える力はないってことだね」

 ルルルも。

 よぉ~くわかったよ。

 お前らは、オレがモテないって思ってるんだな?

 ちなみに、オレもそう思ってるけど何か?

「うわぁ……説得力ありすぎてヤバい」

 陸人まで。

 いいか君たち、そのソーメン、誰が作ったと思ってるんだい?

 決めた!

 ソーメンのお代わりはなしで!

「神の力を持ってしても―――改善できないか」

「こうなったら今回の人生は諦めモードで……」

「あぁ。次の人生に賭けるしかなくね?」

「そろそろいじるのは止めてやれよ? カイト泣くぞ?」

 さすがイルル!

 オレの味方してくれるのはイルルだけだよ!

「そうだぞお前ら……いいのか? マジで泣いちゃうよ? 神様泣いちゃうよ?」

「カイトは神を信じてない」

「ゆえに、カイトは自分の存在を否定」

「あぁ、矛盾だねぇ」

「ウケる!」

 神様とかその眷属って、敬われるもんじゃないの?

 なんて肩身の狭い神(仮)なんだオレ……ただちょっとモテないだけなのに。

 まぁ、本当にオレが神だってことはないだろうけどさぁ。

 

「ってことで……だから問題ねぇよ」

「あぁ。転生者でも陸人は陸人だし。神でも眷属でもモテてもモテなくても、カイトはカイトだ」

「うん。これまで通り、友達だろ?」

「ハルイル!」

 どん底まで落としておいて上げる作戦とは。

 ハルイルコンビプレー、きれいに決まったぞ?

 不覚にも、ちょっとドキドキしたじゃんか。

 不滅の友情に乾杯!

「それに、問題があるとしたら……」

 ハルルの問いかけに、イルルとルルル、それに陸人が頷いた。

「あぁ。問題があるのはお前らの方だな?」

 背後から響いて来た声に、瞬時に立ちあがった三バカ兄弟と陸人。

 急に現れた気配に、即座に構えをとった。

「輝樹兄ちゃん、空兄ちゃんも。いらっしゃい」 

 空兄ちゃんの転移魔法?

 ひょっとしたら、姿や気配を消す魔法?

「はっきり言って、カイト以外雑魚すぎて話になんねぇ」

「黙れ輝樹。賭けの報酬を受け取りに来たことを忘れるな。ケンカを売るために来てはいない」

「っせーな。わかってるよ」

 頭をボリボリ書きながら輝樹兄ちゃんが空兄ちゃんを蹴―――ったと思った瞬間、空兄ちゃんはシールドを展開している件。

 ケンカやじゃれ合いに魔法を使うのって、修練の一環なの?

「カイト、それに陸人。紫電への入隊を許可する」

 あぁ、そうだった。

 討伐数の競争で、【希望(ホープ)】は【紫電】に敗北したんだった。 

 賭けの報酬は、メンバーの移籍―――つまりオレと陸人が【紫電】に入ることになる。

「そしてさっそくだが…………【紫電】から追放する」

「は?」

「え?」

「なにそれ?」

 三バカ兄弟の言うとおりだ。

 輝樹兄ちゃん、どういうこと?

「つまり、カイト以外雑魚すぎて話になんねぇってことさ。俺ら【紫電】を含めて、な」

 苦笑してるはずなのに……表情豊かな輝樹兄ちゃんにしては珍しい。

 目が笑ってない。

「我らではお前たちを守れないからな。好きにするがいい」

 空兄ちゃんも、だ。

 本当にめずらしい。感情が顔に出ないタイプなのに。

 悔しそうに顔を歪ませてる。

「いや、情けは受けねぇ!」

「あぁ。約束通りコイツらはくれてやる!」

「もってけ!」

 ドドンと、三バカ兄弟がオレと陸人の背中を押した。

「ちょ、あぶなっ」

 おぉ。さすが輝樹兄ちゃん。ナイスキャッチ!

 危うく転ぶところだったよ。

「はぁ⁉ こっちがいらねぇっつてんだろ!」

 え⁉

 いやちょっと、危ないって!

 オレと陸人はボールじゃないよ!

「空兄ちゃん、と、止めて!」

「あぁ、よく聞け竜人族のガキども」

「なんだよ?」

「カイト、いや陸人がいると輝樹がモテなくなる。だから不要だ」

「なっ⁉」

 ふむ。

 輝樹兄ちゃんが誰よりも驚いている件について。

 そして空兄ちゃん。さり気なくオレにもひどいこと言ったよね?

「モテない輝樹に存在理由はない。ぐずぐず拗ねてうっとおしいだけだ」

「そ、空? ちょっと酷くね? 言いすぎだろ?」

「事実だ。が、反論は認める。あるなら言ってみろ」

「……ねぇよ! まぁそういうこった! だから紫電にはくるなっ」

 シッシッシっと、輝樹兄ちゃんから追い払われた件。

 いや、邪魔者扱いってひどくない?

 神様(仮)、泣いちゃうぞ?

「そういうことなら仕方ない。【希望】で引き取ってもいい」

 あれ?

 【希望】ってオレがリーダーだったよね?

 違った?

「だが五年後に再戦だ!」

「くっそ生意気な竜人族のガキどもがっ」

「よかろう。再戦を楽しみにしている」

「いいかおめぇら……」

 あ、消えた。

 空兄ちゃんの魔法だな。

 グッジョブです。怒った輝樹兄ちゃんのウザ絡みは、かなりウザいから……

「おぃカイト、決めたぜ」

「あぁ。オレたちも親父に同行する」

「竜人族の里―――修練場で鍛えなおす」

 おぉ……三バカ兄弟の情熱がヤバい。

 負けず嫌いだよなぁ、マジで。

「修練するなら、俺に提案があるんだけど……」

 陸人がニヤニヤと笑ってる。

 なにか悪だくみを思いついたらしい。

 ちょっとだけ心配だけども。

 まぁ、陸人だし。大丈夫だろ。 

「あ、でも兄さん……そろそろ?」

 おっと、ヤバい。

 何がヤバいって、時間がヤバい。

「あぁ、そろそろ行こう」

 【希望】全員でアカデメイアに来るようにと、学長の北斗おじさんから連絡があったんだった。

「そ、ソーメン!」

 ルルルが慌てて平らげだした。

 頼りになる男だよ、マジで。

 これでまず間違いないく食材は無駄にはならないわけで。

 料理人からすれば、この上ない良客なんだよね。

「で、何の呼び出しなの?」

「さぁ」

 互いに頬をかきながら、乾いた笑いを浮かべる。

 陸人も、同じか。

 ちょっとだけ、嫌な予感がしている。

 借金の話だろうか。

 いや、食堂で暴れた件かもしれない。

 オレの退学も……ありうるか?

 ヘンゼルさんに、もうアカデメイアに通う必要ないって言われちゃってるし。

 通う必要ないってことを示す行動なら、たっぷりしちゃった自覚があるし。

 ほら、アイギスの盾とか、デミゴッドの討伐とか、ランクSになっちゃってたりとか。

 う~ん。

 いや、わかってるよ?

 むしろ在籍してる理由の方が乏しいのは、本当にわかってるんだよ?

 でも、モテたいんだ。

 モテモテの学園生活を送ってみたいんだよ。

 いやぶっちゃけ、モテなくてもいい。

 ドキドキハラハラの恋愛を、恋するって感覚を……楽しんでみたいんだよなぁ。

 オレがアカデメイアに求めてるのは、たったこれだけなのに。

 なぜこんなにアウェイなのか……社会は厳しいなぁ。




 +++




「……以上の討伐数が示す通り、本校のルーキーチーム【希望(ホープ)】が為した此度の功労は素晴らしいものであり、彼らの平和に対する貢献を高く評価するとともに、その功績をアカデメイアの歴史に刻むべく、理事会の緊急会議により称号を授与することとなった」

 ねぇ北斗おじさん、なに言ってんの?

「称号―――マエステリアを全員に授与する」

 マエステリア?

 なにそれ?

「知っての通り、マエステリアはアカデメイアの教師と同レベルの能力を持つものに送られる称号であり、その立ち振る舞いや行いが広く若者たちの規範となることが期待される個人に授与される習わしである」

 ふ~ん、そうなんだ。

「【希望】のメンバーには、アカデメイアで後進の育成に寄与してもらうことになっており……」

 えっ⁉

 いや聞いてない聞いてないって!

「特に! 学内でのランク戦、つまり卒業ランクへと至る昇段をかけた模擬戦において、彼らの貢献に期待するところ大である」

 なにその試験。

 オレ知らないんだけど?

 てかオレらこないだ入学したばかりなのに、もう卒業前のラスボス的扱い?

「また、本学の教員と同じ権限が認められることとなり、減税や免税だけではなく、様々な特権が付与されることとなる。その分、教師と同レベルの責任を有する個人として扱われることになるが、彼らの道徳的振る舞いにおいて懸念はなく………」

 え? 懸念ないの?

 オレほぼ連日、学長室にお呼び出しをうけてきたトラブルメーカーだけど?

 それに、教師と同じ責任?

 つまりそれって……生徒と恋愛禁止ってこと?

 マジで?

 え、返上したいんだけどその称号。

 ダメ?

「では……【希望】に祝福を!」

「うぉぉぉぉぉぉおおおお!」

 アカデメイアの巨大コロシアムが揺れている……参加者たちの拍手や歓声で。

 観客席や舞台上には、在校生、そして討伐戦に参加した冒険者たちが勢ぞろいしている。

 舞台上には、指揮を主催する先生たちと救星メンバーが勢ぞろいしている。

 そして、討伐戦で大活躍したパーティが片膝をついて並んでいる。

 この後、討伐戦の参加者の功労賞も発表される流れらしい。

 ちなみにオレらも、他の参加者もスーツや着物、つまり正装だ。

 さっき、学長室で無理やり着替えさせられたあたりから、おかしいって思ってたんだよ。

 つまり、すでに儀式の真っただ中ってわけだ。

 今更、称号返納はできない流れなわけで。

 事前の説明なく、この状況で無茶ぶりをした北斗おじさんの政治力に、グヌヌヌヌっと唸ることしかできない。

 陸人も、ヤレヤレって小声でささやきながらため息をついてる。

 お互い、嫌な予感的中だな。

「それでは、称号を記したメダルを授与する! まずはカイト、こちらへ」

「はい!」

 メダルを首にかけられて……北斗おじさんとハグを交わす。

 ハグじゃなくて、サバ折でもいいですか?

「……ということで、よろしく頼むな?」

 ニヤリと微笑む北斗おじさん。

 交わした握手に、迷うことなく思いっきり力込めてやる。

「もちろんですよぉ」

 ニコリと微笑みながら、グググっと手に力を込め合う。

 ランクS冒険者の力の見せどころ、だ。

「何とも……頼もしいな!」

 おじさんも負けてない。

「兄さん、おじさんも……大人げないよ」

 ささっと手を離したおじさんは、陸人とハグを交わし始めた。

 仕方ない、いったん引き下がることにしよう。

 そうだな……あとで借金、減額してもらおっと。半額位は削ってもらわないと、色々と割に合わない気がするしなぁ。

 あ、三バカ兄弟にナナちゃん、まだキョトンとしてる。

 まさかの展開に、頭が追い付いていないんだろうな。

 気持ちはわかるよ、うん。

 それにしてもナナちゃんのキョトンとした表情……いい。ありよりのあり、です。

「カイトよ」

「ひゃい!」

 この低音セクシーボイスは……【花龍】のナルルさんか。

「ご苦労であったな」

「怪我はもう大丈夫なんですか?」

「あぁ。それもお主のおかげだと聞いておるが?」

「すいません。記憶がなくて」

 テヘヘっと笑うと、難しそうな顔をして……それからハグを交わしてくれた。

 ハグは信頼の証。

 体を近づけて、互いに隙を見せてもいいと思えたって証拠なんだ。

「改めて礼を言おう。おかげで我ら皆、命が助かった」

「いえ、冒険者は助け合うもんですし、オレらもたくさん助けてもらいました」

 ランクSパーティ【花龍】、ウルルさんとナルルさんの二人。

 お二人が掃討作戦中、ずっと近くにいてくれたってことに、オレは気づいてましたとも。 

 見守るように、そして時に三バカ兄弟や陸人にモデルを示すように。

 おかげで三バカ兄弟は、竜人族の構えや所作について、お二人からたくさん学べたようだ。

 あ、もちろんクルドおじさんから三バカ兄弟は学んでるんだけど。

 でも、やっぱり本気バトル中の高ランク冒険者から得るものは大きいと、興奮してたっけ。

 それに、興奮したのは三バカ兄弟と陸人だけじゃない。

 ナナちゃんもオレも、だ。

 【花龍】や【深海】、【紫電】のパーティプレイからたくさん刺激を受けた。

 特に、パーティプレイ。

 熟練したパーティは、息がぴったりあってた。

 相手を自分たちの得意パターンにはめてしまって、無駄な消費をせずに敵を倒してた。

 オレらも、得意な攻撃パターンや防御パターンを練り上げないとなぁ。

「我ら【希望】も、ランクS、ランクAのパーティに近づけるよう努めていきます」

「何を言っておる。時代はお主らを必要としているようだぞ?」

「え? オレたち、ですか?」

「あぁ。新たな敵の登場に、苦戦を強いられている古豪の冒険者たち……人々は絶望を感じつつある」

「確かに、そうかもしれません」

 今回のデミゴットの襲来は、戦力の見直しを迫るくらい衝撃的な出来事だったと思う。

 ランクSのその先に、オレたち冒険者は進まないといけないわけだ。

「だからこそ、新たな光が必要なのだ。若い、新たな力の登場が、人々にそれを予感させる」

「それって……何ですか?」

 オレの問いかけに、ナルルさんがニヤリと微笑んで。

 ガバリと両手を開いたと思った瞬間………オレは、上空を舞っていた。

 高さ十五メートルくらい? なんて慌てたところに、大歓声の振動。

 コロシアムの人々が、オレを見つめて、手を振って、大きな声で叫んでいる。

 ありがとうと、お礼の言葉も混じってるっぽい。

 慌てて手を振って応えると―――

「「「「うおぉぉぉぉぉおおお! 」」」」

 歓声はさらに大きくなった。

 歓声が巻き起こした振動を全身に感じて……ちょっと、いやかなり、胸が熱くなってきた。

 てかナルルさん…………ちゃんと受け止めてくれるんですよね?

 ………………高い。

 …………高すぎる。あと十メートルくらい?

 ………ちょっと怖いんですけど。

 ……あ、よかった。

 ナルルさんナイスキャッチ! ってあれ?

 今度は肩車?

「どうだ? わかったか?」

「えぇっと……多分」

「この通り。人々はまさに今、お主らを―――希望を必要としているのだろうて」

 そっか。

 だから北斗おじさんは、オレらを――――この星に希望があることを強調するために、称号を授けたってことか。

「無論、我らもお主らに負けたままではおらんぞ?」

「いえ、こちらこそたくさん学ばせてください」

 肩から飛び降りたら、もう一度ハグされた。

 二メートルほどのマッチョおじさんのハグは……とっても優しい。

 きっと、力を加減してくれてるんだろうな。

「お主の父を認めるのは気に食わんが……救星の勇者、最大の偉業は立派な息子を育てたことだな」

「痛っ⁉」

 軽く肩を叩かれたせいで、三メートルほど吹っ飛んだけど。

 でも、最大級の賛辞とひきかえだと思えば、たいしたことじゃない。

 

「静まれぇい!!」

 【花龍】リーダーのウルルさんの大声に、会場が静寂を取り戻していく。

 ザワザワが止まった頃、みんなの視線は舞台中央のウルルさんに集まって。

 天に右手をかざしたウルルさんに、ナルルさん、そして【花龍】のメンバーが同調していく。

 何を始めるんだろ?

「我ら【花龍】が、【希望】をこう評価したと伝えよ!」 

 会場が、更なる静寂に包まれていく。

「かの英雄ラグナの再臨にして、偉大なるゴッドスレイヤ―【希望】に栄光あれ!」

「「「「うぉぉぉぉぉおおおおおお! 」」」」

「「「「きゃああああああああああっ」」」」

 巨大な空気の振動に、思わず全身が震える。

 俺だけじゃない。

 陸人も、ナナちゃんも、三バカ兄弟も、だ。

 小さく震えながら、ガッツポーズして……涙を堪えてる。

 パーティランクはBとはいえ、個人ではランクCやDだもんな。

 本当は、怖かったに違いない。

 でも、それに立ち向かって成長する覚悟を決めたわけで。

 恐怖や痛みに耐えながら、頑張ってた。

 それはもう、友として誇らしい姿だった。

 実際、道中はオレ、ほとんど何もしてない。

 まぁ、三バカ兄弟と陸人が「手を出すなっ!」って宣言してたからだけど。

 おかげで、中層以上に備えて、体力を温存させてもらえた。

 だから、モンスター討伐や回復、防御の中心はオレ以外のメンバーの功績。

 その事実が北斗おじさんから伝えられたとき、会場はどよめいて……大きな拍手を五人に送ったんだ。

 まだアカデメイアに在籍してる若者が為した成果に、人々は希望を見出しているんだと思う。

 みんなの明るい希望を、絶やしちゃいけないよな。

 パーティ名に恥じぬように、頑張らないと。

 うん……気合入った。

 右手を天に掲げると、仲間たちもそれに続いてくれた。

 大きく息を吸って、静まり返る会場に宣言しよう……

「我ら【希望】、偉大なる【花龍】からの賛辞に見合うよう精進すると誓います!」

「「「「「「………うおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおお!」」」」」

 今日一番の、大歓声だ。

 片膝をついて、礼の姿勢を示して。

 今は何も考えずに、万雷の拍手を味わうことにしよう。 

 最高の、仲間たちと。




今日もありがとうございました!

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