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48――追憶
夢から覚めても、しばらく温もりを探った。
布団の中には誰もいない。耳を澄ませても物音ひとつ聞こえない。静かな冬の夜ーー。
……そうだ愛しいあの猫は、ずっと昔に虹の橋へと旅立った。積雪の予報が出たからと言って、慌てて外に探しに行かなくていい。
だけれど何年経とうが、頭の隅には君がいる。日向の匂いがする毛並も、私を見つめ返す大きな瞳も、いまだ鮮明に覚えている。同じ布団で眠ったあの夜も、一緒に町を散歩したあの夜も、忘れられない。きっと一生、振り返りながら生きていく。
記憶を整理しながら、瞼を閉じる。朝になったら大掃除の続きをして、クローゼットに閉まっているあの猫の写真を、明るい所に飾ろう。そうしよう。




