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45――千客万来、その未来。
お題元Twitter@Tw300ss様「来る・来」
閉められたシャッターを前に、私は立ち尽くした。
地元の和菓子屋が閉店していた。
『閉店のお知らせ』によると、理由は、店主高齢のため。
平成中期まで千客万来。地域から愛され続けた名店だったのに。残念。あの香ばしいどら焼きをもう一度食べたかった……。
「ん」
ふと気づく。
『閉店のお知らせ』の最後に、誰かがメッセージを書いている。
――今までありがとうございました。ここの豆大福が大好きでした――。
これを見た私は、同じような労いの言葉を、横に加えた。
閉店からひと月後。『お知らせ』は店主と和菓子たちへのメッセージで埋め尽くされた。
この寄せ書きは、店主がゆっくり読んでくれればいいと思う。温かいお茶でも飲みながら。




