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38――文庫本とポトフ

お題元Twitter@Tw300ss様「救う・救」

 私は文庫本を閉じて、部屋をぐるぐる歩いた。後悔の念が渦を巻いて、じっとしていられない。

 ――しくじった。まさかこんな終わりかたをするなんて。幾度となくタイムリープを繰り返して恋人の命を救ったのに、彼はほかの女のもとへ走るなんて。なんて救いがない。

「導入はよかったのに……」

 文句を言いつつ、鍋に火をかける。ゆうべのポトフがふつふつ沸いてくる。

 ざく切りキャベツ、ハーブソーセージ、トマトのいい香り。塩味の湯気がキッチンに広がる。

 ひとさじすすると体が温まり、やり場のない心もほぐれていく。


 私はスープ皿に、ポトフをすくって注いだ。

 大丈夫。ポトフは最高の仕上がりだし。

 次に読む本はきっと、今日のよりも面白い。

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