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34――コントラスト

 石膏デッサンに疲れた千影(ちかげ)は、風を求めて二階の窓を開けた。小さく、すすり泣く声が聞こえてくる。


 窓の下を見ると、中庭の木陰で、ひとりしゃがんでいる男子がいた。クラスメイトの日下部(くさかべ)くんだ。角刈頭と背番号『1』のサッカーユニフォームでわかる。

 日下部くんは明るいお調子者で、教室では下品な冗談ばかり。

 千影は彼に伝えたかった。影で泣いているつもりだろうが、そこは美術室の真下だよと。


「デッサン、まだ途中だろ」

 先生に注意され、千影は窓を閉めた。

 なかったことにするから、がんばれ日下部くん。

「明暗のコントラスト、もうすこし強く。反射光が映える」

「はい」

 光と影が精密に描かれ、画用紙に、凛々しい像が浮かびあがる。

お題元Twitter@Tw300ss様『影』。エブリスタさんにも投稿しています。

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