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30――問3.次の漢字に読みがなをつけなさい。
私はノートのすみに「定め」と書いた。
「『さだめ』は、こう。定まるの定。……運命は『さだめ』って読まない」
「ええっ」
隣の席のササキくんは、自分のテストと私のノートを見比べている。
「自信あったのに。『国の運命を守る』って、かっこいい文になったし」
「かっこいい?」
正解は、国の定めを守る。
「歌じゃ運命で『さだめ』だったのに」
「当て字じゃないかな」
「じゃあ時間は『とき』とは」
「読まない」
「おぉ。頭いいやつが隣でよかった」
ササキくんはよくひとをほめる。
「私、頭よくないよ。ササキくんと違って、体育苦手だし」
「苦手? とび箱うまいだろ」
こんな言葉が嬉しい。
隣になったとき「幸運」と思ったのは、いろんな意味で秘密。
お題元Twitter@Tw300ss様『運』




