第二話「××× ×××」
前回のあらすじ。
死にそう。
ふざけんな!
「ああああああああああ‼」
走る。
「あああああああああああああ‼」
走る!
「嫌あああああああああああああああああ!!」
嫌嫌嫌!
森の中走り回る事一分。
いよいよ頭の中がおかしくなってきたぞ!
ふふ。ふへ。あっははは!ま、全く、こ、こんなことになるなんてな!
人生わかんねえな!笑える‼ホントにーーーー
ーーーふざけんな何なんだよあれ!
獣!?あれが!?なんで第三の目開眼してんの!?足六本とか!六本とか!!
らめえええええ‼これ以上は晩御飯にジョブチェンジしちゃうううーーー
ーーーーあ。
ふと周りの風景が見えなくなりーーーそれが獣押し倒されたからだと気付いてーーー死を悟った。
あ。
ああ。
ああああ。
痛い。痛い痛い痛い。痛い痛いいたいいたい。
なんだよ…なんなんだよ……。
折角ーーー折角生き返ったのに。
つらいからちゃらんぽらんな風に振る舞って受け流そうとして。
いやでいやでいやでーーーー
辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くてーーー死んだ。
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午前六時。
朝日が昇り始めて街灯が申し訳程度に道を照らす中、×××は散歩がてらにコンビニまで歩いていた。
そういえば明日は可燃ごみの日だな、と思いながら歩き続けていた。
なんで生きてんだろうな、とも思いながら。
思えば流れに身を任せた人生だったけど、それに後悔している訳ではない。
ただ、分からなかった。あいつらと俺の何が違う。
この世に生まれて、学校に行って、大学に行ってーーーそこまでは同じだ。
どうして。どうして。どうして。
嫌われなくちゃいけないんだ。
俺が。どうして。
どす黒い何かが自分の胸を締め付けようとした時、目的地のコンビニエンスストアにたどり着いてハッとした。
ーーーーまあ、考えたら負けか。相変わらず引きずりすぎだな俺は。
これでも自分の期待してくれている家族はいる。
だからこそ、生きなきゃいけない理由はある。
なら、とことん充実した人生にしてやる。死ぬ前に馬鹿みたいに笑ってやる。
「生きて良かった」って馬鹿笑いしてやる。
そして×××は死んだ。