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猫が大好きな少年  作者: 夜叉猫
2/2

国立ローズ魔法学校

頑張って行きます

窓から射す太陽の光で目を覚ます。

今日もあの夢を見た...

あの日から俺は毎日この夢を見ている。

そしてあの日から俺はー


ガチャリと、ドアの開く音が聞こえる。


「あら、起きていたの?ご飯できたから、着替えて降りて来なさい」


笑顔でそう言ってくるのは、レミア・シークレンス。


あの日、俺を拾った人だ。


俺は、いつもあの夢を見るが、その続きは見たことがない。理由としては、俺がその先を知らないからだろう。

俺はあのあと気絶したんだ。

起きたら、今いるここ、俺の自室にいた。

あの花畑の場所も、あの猫があの後どこに行ったのかも知らない。

元の家の奴らは多分、俺が居なくなった事に対してなんとも思っていないだろう。

でも、それで良い。

俺は今こうしている方が幸せだから。

レミア母さんと、

姉であるロミア姉さんと一緒にこうやって、なんでもない生活をしている方が、ずっと幸せだから。


俺は今日でちょうど16歳の誕生日を迎える。

実際の誕生日は知らない。教えてもらった事なんてないから。

だから俺の誕生日は、母さんに拾われた日だ。

俺が拾われたのは4歳の頃、

年齢は、生まれた年から、毎年1月1日になると、ステータスが更新されるため分かっていた。

ステータスってのは...


どうやって説明したら良いんだろう。


まぁ今日は誕生日だから、ステータスの確認をすると思うから、その時に実物を見せながらやろうと思う。


と、考えていたらドアをノックする音が聞こえた


「どうぞ」


ガチャリとドアを開けて入ってきたのは、先に紹介して姉。

ロミア・シークレンスだ。

銀髪の髪をショートにしている綺麗な人である。

昔は腰くらいまで伸ばしてたんだけど、邪魔だとか言って3年ほど前に切っていた。

紫紺の目に俺とほぼ同じ身長の...

俺の方が少し高いけど!

...まぁ、うん、姉だ。


「早く降りて来なさいって...って、まだ着替えていないの?」


首を傾げるロミア姉さん。

溜息を吐いてこちらに近寄ってくる。


「良い加減着替えくらい自分でできるようになりなさい」


「いや違うから、考え事してただけだから!」


基本はこんな感じだ。

歳なんて一つしか変わらないのに、物凄くお姉ちゃんしたがる...弟としては少し面倒な性格の姉だ。


「そう、残念ね」


と肩をすくめる姉さん。

正直どうでも良い。


「着替えるから出て行ってくれない?」

「姉の前では着替えられないとでも言うのかしら?」


別に着替えられるけど...

わざわざ姉の前で着替える必要もないよね?


「そういうのは良いから...早くご飯食べに行きなよ」

「そうね」


そう言って一階に降りて行く姉さん。

まぁ、俺の朝は大体こんなものだ。



一階に降りると、母さんと姉さんが微笑みながら。


「お誕生日おめでとう。ルキア」


と誕生日祝いの言葉を投げかけてくれた。

俺こと、ルキア・シークレンスに。

もちろんレミア母さんがつけてくれた名前だ。


俺もありがとうと感謝の気持ちを伝え、ただ今朝食を食べている。

そんな中


「ルキアもとうとう結婚できる歳になったのね」


と、母さんがつぶやいていた。

俺たちの住むローズ王国は、男は16歳から、女は14歳から結婚できる。

酒とタバコは両方18から。

まぁ、タバコなんて吸う気は皆無なんだけな。


「そうだなぁ...お見合いかぁ」

「希望を捨てるのが速すぎやしないかい?」


苦笑いしながらツッコンでくる母さん。

だって、学校でも告白された事がないどころか、女子と話す事だってほぼないような状況なんだぞ...


「そうよ、きっと良い人がいるわよ。例えばすぐ近くに」


と、姉さんも励ましてくれる。

誕生日だからかな、いつもよりも優しい気がする。

多分気のせいだろうけど


「良い人ねぇ...」


いても俺に振り向くかどうかは別の話なんだよなぁ。


と、そんな会話をしながらご飯を食べ終え、俺と姉さんは学校へと向かう。


そう、国立ローズ魔法学校へと。


ーーー


ただ今通学中

隣には姉さんと...


「ルキア、誕生日おめでとう」


幼馴染のレイナ・ロッド

青色の長い髪の毛を一つに結んでいる

無口な女の子と


「そういやお前今日だっけか、おめでとさん」


同じく幼馴染のリク・アルカス

茶髪を刈り上げている

男の子がいた。



「ありがとう、“レイナ”」

「俺は!?」


忘れてたくせに...と言ってやっても良かったが、祝ってくれはしたため、一応感謝を伝えておく。


「これでお前も結婚できるのかぁ...好きなやつとかいんの?」

「お前なぁ...いるけども...」

「まじかよ!?誰だよ!?」


物凄く興味津々だな...

気持ち悪い。


「まぁ知ってるけど」


・・・は?


「おいリク...お前今なんて?」

「あの亜人ちゃんだろ〜?お前の顔見てればわかるってぇ...ていうかお前、猫大好きのくせにー」


リクの口を全力で抑えにかかるルキア


喋りすぎだ馬鹿!!

てかお前、本当に合ってるとは思わなかったよ!

そんなにわかりやすいか俺!?


「ぷはぁ、何すんだよ!」

「こっちの台詞だ馬鹿!...てうおっ!?」


突然両肩を掴まれ、後ろに引っ張られる。


「何すんだよ...ひっ!?」


情けない声を出してしまったとは思うが...

生涯ないだろう?

二人が能面みたいな顔で見つめてくるんだから。


それからの記憶は脳から消し去った。


気づけば教室についていた。


隣の席にはさっき話題に出ていた亜人の女の子、

アナ・ウルクスさんが座っていた。

狼の亜人らしい。

可愛い。

うん、可愛い。

長く伸ばした銀髪に、頭の上にある可愛らしい二つの耳...モフりたい

そして校則どうりしっかり膝がかくれるスカートから少しだけ覗くフサフサな尻尾...モフりたい。

うん、モフりたい。

そんなことを考えながら、横目にアナさんを見ていたら、そのエメラルドグリーンの瞳が一瞬だけ、本当に一瞬だけこちらに向いて、目があった。


...迷惑だったのかな。残念。今日はもう見るのはよそう。


と考えつつも、目があった事に喜びを感じながら、しっかりと授業を受けて行くルキアであった。


俺は強くならなくちゃいけないから。

恋はしていても、それで授業を疎かになんてできない。

俺が母さんに拾われてから半年程経った時に、俺はあの花畑を探しに森の中へ入って迷子になった事がある。

中で怖くて一人で泣いている中、姉さんと母さんが見つけてくれた...

その日は帰って母さんに説教されたんだけど...

その時...


『良いかい?ルキア...あんたは男なんだから、強くなりな...私も、ロミアも守れる、強い男になりな...いつまでも男が女に守られてるようじゃ駄目なんだからね』


って言われてから、俺は強くなるために努力を欠かさなくなったんだ。

まぁ母さんも、俺に騎士になって欲しい訳ではなかったと思う、強くなれっていうのはその一回しか言われなかったからな。

実際、説教ついでに軽く言った程度だろう。

ちなみにその時


『守るってどういう意味?』


と聞き返して笑われた。


授業も進んでいき、次は実技の時間だ。

今までに習った魔法を使って競走したり、模擬戦を行なったりする時間である。

今回は模擬戦のようだ。


模擬戦となると男子はかなり気合が入る。

なんでって、やっぱり強い男はモテるからに他ならない。


強くなるのに一番手っ取り早いのは魔法を上手く使いこなせるようになる事。

なんてったって、魔法が使えれば、身体強化で相手の運動能力を上回ることも、攻撃魔法で闘うこともできるんだから。


とまぁ、そんな感じでこれから模擬戦が始まって行く訳だ。


読んでくださりありがとうございました


誤字脱字などの指摘、もしあればよろしくお願いします

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