表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫が大好きな少年  作者: 夜叉猫
1/2

プロローグ

頑張っていきますので、よろしくお願いします

俺は生まれた時から、誰とも喋った事がない...

俺が無口だからではなく、誰も俺に喋りかけないからだ...

だから、言葉も上手くは話せないし、相手がどんなことを考えているのか、相手が今どんな気持ちなのか、どうしたら喜んで、どうしたら悲しむのか...


分からない


分かることなんて、何もない...


そう、思っていた俺だけど...



今は違う。


俺はその時に助けられたから


俺は今日も、その頃の夢を見る...



ーーー


今からちょうど12年前...


俺が4歳の頃の事だ、俺は生まれた時から誰にも話しかけられた事がなかった。

家族がいないわけではない、むしろ家族はとても多かった。

あの頃の俺は、何も教えてもらえなかったし、喋りかけてくれる人もいなかったから、言葉をあまり覚えていなかったし、相手が自分に対してどんな感情を抱いているか何て分からなかった。

自分の感情さえも、言葉にする事が出来なかった。

ただただ、訳も分からないまま涙を流すしか無かったんだ...


だけど、12年経った今の俺は知っている。

あの時に、俺に向けられていた感情...


そんな物は何も無かったんだと。

皆が俺に無関心。

うざいとも、邪魔だとも、そう言った負の感情すら自分には向いていなかった。

そして俺はその時、



寂しかったんだ。



誰にも喋りかけてもらえず、何んとも思われていない事が、無性に寂しかったんだ。

そして、とうとう、その時の俺は家から逃げ出した。

そこにいるのが、とても辛かったから...



気づけば、森の中をただ一人で彷徨っていた...

暗い中、独りぼっちで只々歩き続ける俺は、その時も、怖いという言葉を知らなかったから、膝が震えている理由も、前とは違った理由で流している涙も、何一つ訳が分からないまま押し殺してひたすら歩いていた。


そしてそれから何時間経ったのだろうか、少しずつ周りが明るくなってきた、

朝が来る、それすら分からないまま、だけどそのことはしっかり理解しながらまだまだひたすら歩いて行く。

そして、森から抜けた先にあったものは...



辺り一面、びっしりと花が咲き誇る、丘の上だった。

あの時の、視界に花畑が映った時の感動は、今でもしっかり覚えている。

言葉にはできなかったが、こうして12年経った今でも覚えている程にそれは


“綺麗だった”



そんな時、ふと足に何かがぶつかった...

下を見てみると、そこにいたのは

猫だった。


小さな瞳で俺を見上げる猫を見た俺は、何故かまた涙を流していた。

その時の俺は嬉しかったんだ、その、俺を見上げて来る瞳に、今まで生きているものは人間しか見たことの無かった俺は、それが何ですらあるかも分からない未知の存在に、


興味を持たれていると感じて、とてつもなく嬉しかったんだーーー

読んでくださりありがとうございました


誤字脱字の指摘など、よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ