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お月さまの夢(1)[オトキさんの夢]

子どもの頃は なんでも大きくて、巨大でした。


時計を回すための踏み台も


重くて、重くて、、、


いまなら、おかあさんや おとうさんが


そこまで、持って行ってくれそうなことも、

任したからには、最後まで

親は見てるだけのことが多かったように思います。



踏み台に乗っても届かなくて、


踏み台の上で、ツンと背伸びして、


木のぬくもりのある時計の扉を開ける


硝子のフタのむこうに


黄色く黄ばんだ文字盤………


深くてどこまでも空いてそうな黒い穴に


カギを入れる時………


こころの旅にでかけるのかもしれません。








あのね♪


花ちゃんの、

おばあちゃんの部屋にね、


おばあちゃんがお嫁さんにきたときに持って来た♪


ふるい時計がいるんよ…。




花ちゃん、

"いるん?"




"あるん"のまちがいやないの?




ううん、

いるん、よ…

オトキさん言うん♪

(*´∀`*)(笑)クスクス♪






むかし、むかしから、

満月の夜に変身する[オオカミ男]



お月さまに、かえってしまう

[かぐや姫]



満月の夜には不思議なことがおきる、、、



(そんなおはなし)












「やあ、ごろうたい、元気かい?」




「あぁ!?」




「耳まで遠くなっちゃ、そろそろ引退かい?」



「ん?ご老体って私のことかい?」



「最近の若造は口の聞き方も知らないから…

答える価値がないと思っただけさ、

私にはオトキさんていう名前があるんだ♪」




「だって、ばあさんのコッチン…カッチン…♪

まのびした音を聞いてると、

こっちまでボケてくる気がするぜ(笑)」



「だから、お前は、無知だと言うんだ、


誰が、時を刻んだって一秒は一秒…


変わりゃしないよ(笑)」




「ばあさん、もう世の中はICの時代だぜ?(笑)」




「はぁ!?IC~?

なんじゃいそれはアイスクリームの親戚かい?」



「ハハハ♪ばあさんこそ、


なにも知らないんだな~(笑))」





(´д⊂)‥ん…

だあれ~

こんな夜中に…

ケンカしてるの~









( ̄b ̄)「シー…人間が来た。」



( ̄ー ̄)「あぁ…大丈夫、あの子は友達だよ♪」



「 毎朝 ネジを巻いてくれるんだ、

一回、

ちゃんと、お礼が言いたいと思ってたんだ♪」





(´д⊂)‥ん~

ダレかいるの~




( ̄ー ̄)「花ちゃん、わたしだよ♪」





(´д⊂)‥ん~?

だあれ~?

花のこと呼ぶの~





( ̄ー ̄)「花ちゃん 上だよ♪」


「おばあちゃんの柱時計のオトキさんだよ♪」




そう、私は、『オトキさん』

洒落た名前だろ?


毎日、この家に来てから1日も欠かさず、時を刻んで来た。



最初は、この子の婆さんが

次は、この子のパパさんが


そして今は、

この子が 毎日、ネジを巻いてくれてるんだ♪



名前がなくちゃ可哀想って花ちゃんが、つけてくれたんだ、

『オトキさん』って、

いい名前だろ?(笑)♪





(´д⊂)‥ん~?

オトキさん?




「甘いな、ばあさん、人間なんて…信じる方が馬鹿だぞ…」




( ̄ー ̄)「いいから黙ってておくれ♪」





「まあ、好きにしな… 裏切られて泣くのは、ばあさんだしな、」





( ̄ー ̄)「(笑)」




つづく、

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