第九十九話 999
とうとうこの駄文も第99回目を迎えました。
中華文化圏では、9は永遠に続く、非常に縁起が良い数字です。今回は、中国での数字にまつわる話を、ちょっとご紹介したいと思います。
一般的に、中国・台湾・香港では、縁起の良い数字は、1、3、6、8、9、10とされます。
日本でも末広がりということで、8はおめでたい数字とされていますよね。
中国でも、8の読み方が、同音の”発”(→発展する)につながるということで、とてもおめでたいとされており、商店やレストランの開店日は、必ず末尾が8の日が選ばれています。
8の付く日になると、街のあちこちで新規開店を祝う爆竹の音を聞くことができます。
日本では、陸運局に自動車の新規登録をしてナンバープレートの交付をうける際に、ある程度好きな数字の組み合わせを選ぶことが出来ますが、中国では、縁起が良い数字の組み合わせのナンバープレートは、オークションにかけられます。
中国のナンバープレートは、①自動車の登録都市を表す漢字一文字+②地区を表すアルファベット1文字+③数字4ケタの組み合わせなのですが、上海市ならば、以下のような組み合わせが、驚くような高額になります。
『沪A1688』……数字の読みが、”一路発発”(商売繁盛でお金が増える)の語呂合わせ
『沪A8888』……数字の読みが、”発発発発”(お金が儲かり続ける)の語呂合わせ
『沪A1968』……数字の読みが、”要久留発”(お金が貯まっていく)の語呂合わせ
うーん、すべてが金銭につながるところが中国らしいですよね。(;^ω^)
縁起の良い数字を選ばなくても、上海では車両規制のため、ナンバープレートの登録料が他の都市の数十倍の金額となっており、たとえ新車が安く買えたとしても、ナンバープレートをもらうために、100万円近くの金額を支払わなければなりません。
2000年頃に、上海で働く日本人男性が、宝くじで一等賞の自動車(新車)に当選したというニュースが在留邦人の間で流れました。
当選者のJさんは、喜んで商品の自動車を受け取り、自家用車にしようとしたのですが、ナンバープレートを入手するために、なんと当選した車の価格よりも高い金額(当時でも数十万円)を支払わされたそうです。……結局、これって彼は運が良かったの?それとも悪かったの?
上海で縁起が悪いというか、あまり良くない数字とされているのは、4と13です。
4は日本でも”死”につながるとして避けられていますが、上海でも同様です。
13は、『13日の金曜日』などキリスト教からの影響かと一見思われがちですが、実は、上海語で13に”まぬけ”という意味があるためです。普通の時計の文字盤には12までしか数字がありませんが、おバカちゃんの時計は13まで数字がある(=あり得ない)ということなのだとか。1と3がバラバラならば縁起が良いのですが、13にまとまると、意味が変わるなんて難しい!
もしもアナタが上海で、地元の人から『侬是十三点!』と言われたら、『お前はアホか!』と言われておりますので、怒っていいですよ~~。( ̄― ̄)ニヤリ
今後、このエッセイも、”999”=久久久(永遠に続く)ことを祈念して、ひとまず今回はここまでで筆をおきたいと思います。今後もどうかよろしくお願い致します。<(_ _)>