第九十五話 猛獣系中華女子
日本が世界経済でまだブイブイ言わせていた1990~2000年頃、日本人男性は未婚、既婚を問わず、中国で非常にモテました。
一般的に中国人女性は、恋愛や結婚において、愛情よりも条件を重要視しているため、中国よりも経済的に豊かだった当時の日本人は、まさに”優良物件”だったわけです。
以下にご紹介するのは、私の知人のMさん(日本人男性)の体験談です。
大手機械メーカーの駐在員として上海に赴任したばかりのMさんは、仕事や接待に追われる毎日を送っていました。忙しすぎて、上海の街を観光する時間もありません。
そんな時、週末に同僚と行った日本人向けのバーで、日本語の話せる小姐に声をかけられました。
「あら~、せっかく上海に来たのに、まったく街を観光していないの?良ければ、明日、私がガイドしてあげましょうか?」
若くてキレイな女性からのお誘いに、ついホイホイ乗ってしまったMさん。
翌日、市内で待ち合わせをして、市内観光に出かけました。
日本語堪能で淑やかな中国人女性の専属ガイド付き観光なんて、めったにない経験です。彼女のおかけで、Mさんは上海という街について新たな理解を深めることが出来たのでした。
市内の主な観光名所をまわってから、最後に、繁華街にある外資系デパートにやって来ました。
「このデパートには、日本のブランドも入っているから、洋服はここで買うといいわよ。」
「ふ~ん。ワイシャツとかはここで買えそうだね。」
……と、その時です。
女性向け高級アパレルブランドのショーウィンドーの前で、彼女は突然ピタっと止まって、まったく動かなくなってしまったのです。
彼女が食い入るように見つめているのは、”3000人民元”の値札のついたハンドバッグ。
(当時の物価感覚では、日本円で10万円近い)
「××ちゃん、いったい何を見てるの?」
「……あのバッグ、素敵よね。」
「え?……あ、あぁ、そうだね。また今度ね。」
軽くあしらって、彼女に歩くようにうながすMさん。
ところが、彼女は、スーパーのお菓子売り場の前にいる3歳児のように、絶対にその場所を離れようとしません。それまでの淑女の仮面をかなぐり捨てて、ヒールを履いた足をガッチリ踏ん張って、デパートの通路に仁王立ちしています。
「ねぇ、ちょっと、先に行こうよ。」
「あのバッグ、買ってくれないかしら?あなたが買ってくれるまで、私はこの場所を絶対に動かない!」
「………( ゜Д゜)ハァ?」
Mさんがなだめてもすかしても、彼女は一向に動く気配がありません。しまいには、キレイに手入れされた爪でショーウィンドーに全力でしがみついて抵抗するしまつ。(~_~;) 子供かっっ!
結局、Mさんは、彼女のド根性に負けて、3000元もするハンドバッグを彼女にプレゼントする羽目になったのでした。
Mさんは、『何だか高い観光になってしまったけれど、これも授業料だと思ってあきらめたよ。タダより高いものはない、中国小姐の好意には裏がある。(;^ω^)』と笑っていましたが、彼のように人の良い日本人男性は、当時の中国人女性にとっては、恰好のターゲットだったわけです。
「彼女達はすげぇんだよ。例えば、僕がトイレに行っている隙に、僕のカバンから携帯電話を勝手に取り出して、自分の携帯電話に僕の番号を登録した後、気づかれないようにそっと元の位置に戻しておいたりするんだ。だから、番号を教えた記憶が無い女の子から、突然、お誘い電話がかかってきて、ビックリさせられることもしょっちゅうでさぁ。何というか欲望に忠実な人達だよ。」
猛獣系(?)中華女子、マジ、パネェっす。ヤマトナデシコは踏み潰されるのみだわ。(;’∀’)