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胖姐看中国  作者: 胖姐
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第九十一話 盂蘭盆会

日本は、いよいよ『お盆休み』シーズンに入りました。

連休を利用して、実家に帰省する人、観光地に旅行する人……。

駅や空港は人であふれかえっています。


では、中国や香港にはお盆休みがあるのでしょうか?


中華文化圏にはいわゆる『お盆休み』はありませんが、台湾や香港など古くからの習慣が残っている地域には、『盂蘭節』の習慣があります。

日本では、お盆に迎え火を焚いて先祖の霊を自宅にお迎えしますが、中国では、地獄の釜の蓋が開いて、現世に一時戻ってきたけれど、誰も迎えてくれる人がない気の毒な霊魂(いわゆる無縁仏)のために、廟や道端に祭壇を設けて、紙銭などの供物を燃やしたり、大がかりな臨時舞台を組み、無料で京劇を上演して、霊をなぐさめるのです。

その祭壇や舞台の飾り付けは、超・超ド派手で、まるでパチンコ店の開店を祝う花輪のようです。

日本人から見ると、「何かお目出たい事でもあったの?」と聞きたくなるような色使い。ちょっとキッチュな独特のセンス。一見の価値ありです。


台湾や香港の人達は、8月のことを、地獄から沢山のお化け((ぐい))が現世に戻って来ている季節なので、『(ぐい)(ゆえ)』と呼んでいます。

日本では”鬼”というと、頭に角が生えていて、上半身裸で虎皮のパンツを履いているというイメージがありますが、中華文化圏では、いわゆる幽霊やお化けのことを”鬼”と言っています。

この時期、街をフラフラしている幽霊達に悪さをされないように、タブーとなる行動がたくさんあるのですが、その一つに、


『旅行に行って、マリンスポーツを楽しむ』


というのがあります。これは、外出をすると浮遊霊にぶつかりやすいこと、また、水辺に近寄ると、溺死した霊(水鬼)に水中に引っ張り込まれて、あの世に連れていかれるから、という理由だそうです。

だから、日本と違って、この時期に海辺のリゾート地に旅行する人は少ない!

私が夏休みを利用して香港に遊びに行くことを知った台湾出身の知人は、顔をしかめて、


「胖姐さん、このお化けだらけの時期に海外旅行に行くなんて……。アナタ死にたいんですか?本当に縁起が悪い。この時期は、特別なことをせずに、家の中でじっとしているべきなんです。お化けの怖さを知らない日本人はアホですよ。」


と言っていました。(;^ω^)


日本人はお盆と正月くらいしか、まとまって休めないんだよ~~!お化けも怖いが、有休届を出した時の上司の顔のほうがもっとコワイんだぞ~!チックショー(# ゜Д゜)

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