第八十話 確認、確認、再確認~♪
今回はちょっと内容が下品かも。下ネタが嫌いな方は、この回を飛ばして下さいね。
中国で家電を買う時、必ず必要なのが、”作動確認”です。
日本では信頼出来るメーカーの製品ならば、初期不良はほとんどありませんが、中国では不良が当たり前。また、ニセモノが多く、外箱の表示と中身が全く違うなんていうのも当たり前。だから、電球一つを買うのでも、必ず売り場のカウンターで明かりが付くことを確認してからお金を支払う必要があります。
このような環境に慣れた中国人が日本で買い物をする場合、会計前の商品の包装を無断で開けて確認を行うので、商店側とトラブルになったりします。
自分で見たものしか信用しないし、信用出来ないというのは、ちょっと悲しいですよね……。
中国では、1990年代以降、改革開放の波に乗って、海外から色々な文化が流入してきました。
その一つが”性風俗”です。
それまで儒教+共産主義という、実に禁欲的な考え方が国の主流を占めていましたが、ちょっとだけならエロを解禁してもいいかという感じに変わってきたのですね。
今では、中国のどこの地方都市でも、商店街の中に、”成人保健”や”成人用品”というネオンのついた店がちらほら見かけられるようになりました。日頃から漢字に慣れ親しんでいる日本人にとっては、”成人”=アダルト、”保健”=大人の保健体育、という連想が出来るので、看板を見ただけでも何のお店なのかは分かりやすいかと思います。
日本と中国が大きく違うのは、アダルドグッズ店でも、店構えが堂々としていて、淫靡な感じが薄く、昼間でも営業していること。
日本では東京・原宿に”Condomania”という有名な避妊具専門店がありますが、中国の成人保健のお店も、それとよく似た一種独特の明るさがあります。
私も、1995年頃に、当時の北京で最大規模を誇っていた成人保健のお店に、興味本位から足を踏み入れたことがあります。
お店で売られているのは、いわゆる大人のおもちゃと精力剤など。
おもちゃの中でも、ガラスケースに飾られている超高級品は、日本製かスウェーデン製でした。さすが世界に誇れる信頼品質のメイド・イン・ジャパン。( ̄― ̄)ニヤリ
店員さんのいるカウンターの上には、透明のプラスチックの棒に、色々なコンドームがかぶせられて、ずら~~っと展示されていました。
ピンク、黄色、グリーン、水色……。全体的にツルっとした形、何だか凸凹した形……。カウンターの下から全体がライトアップされているので、まるで現代芸術のオブジェのようです。
私が『ほほーっ、ディスプレイすると意外にキレイなもんだなぁ(◎_◎;)』と目を丸くしていると、私の陰から、すすーっと足音も無くカウンターに近づいた一人の男性が、あるコンドームを指さしながら、店員さんに訊ねました。
「この商品の使用感はどうなの?確認してみたいんだけど、試供品ってないの?」
……おいおい、それも作動確認するんかいっっ!!
思わず日本語で見知らぬ中国男性にツッコミを入れそうになってしまったのでした。中国コワイ。




