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胖姐看中国  作者: 胖姐
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第五十五話 日本はどこにあるの?

実は、多くの中国人は、日本がどこにあるのかを知りません。


「日本人?……雲南省あたりに住んでる少数民族でしょ?」

「日本?……中国のどこにあるの?」


私がかつて中国に暮らしていた時も、そして現在になっても、ときどき上記のような質問を受けます。

日本語を勉強して、日系企業でバリバリ働いているような中国人でさえ、日本の首都が東京であることを知っていても、世界地図の中で日本の位置が分からないことがあります。


以前、北京から北戴河に向かう列車で、たまたま同じ車両に乗り合わせていた少年軍学校の男子生徒さんに声をかけられて、少しおしゃべりをした時、私が外国人だということを知った彼から、


「あなたは漢族(いわゆる中国人)じゃないんだね~。

……え、日本人なの?日本って、どこにあるの?」


と真顔で聞かれたことがあります。私は苦笑いで、


「日本は中国のお隣ですよ。上海よりもっと東にある島です。」


と答えましたが、内心、『もしも将来、日本と中国との関係が悪くなって出撃命令が出た時に、彼はどこに攻めていく気なんだろう?敵国がどこにあるか知らない軍人さんなんて聞いたことないよ(;^ω^)』と思っていました。


中国は56の少数民族を抱える国ですから、日本人といっても、中国のどこか片田舎に住んでいる少数民族くらいに思われているわけです。

だから、日本が海の中に浮かぶ島国だということを知らない中国人が結構います。


「ここから日本まで電車でどれくらいかかるの?」


中国に暮らしていた時に、上記の質問もよく受けました。

陸続きでないため、電車では中国から日本まで行かれないこと、場所は上海の東隣になること、渡航手段は船か飛行機に限られることを伝えると、たいてい、相手は『???』(・・?という顔になります。日本が島国ということが、私の答えを聞いても感覚的にピンとこないんですね。


恥ずかしながら、我ら日本人のなかでも、中国と韓国がごっちゃになっている人がかなりいます。あれだけ韓国ドラマが流行ったのに、ドラマの舞台が中国だと思っているのです。

『アンニョンハセヨ』は『ニーハオ』と同じじゃないですよ~~。


数年前に、SARS(重症呼吸器症候群 中国語では非典型肺炎)が中国で大流行した時、中国に駐在していた日本人社員とその家族を、派遣元企業が一時的に呼び戻す動きがありました。その時、せっかく日本に帰国出来ても、SARSに罹患していないことを証明するため、駐在員達はしばらく自宅待機にされて、外出を控えるよう指示されていました。

何となく”中国に住んでいます”と、大っぴらに言いづらい雰囲気の中、駐在員達は、他人からどこに住んでいるのかを聞かれると、


「長崎の西隣です。」


と言っていたそうです。これって、私の『上海の東隣』の逆バージョンですよね~~。

日本人も、長崎の西隣がどこになるのか、今一つピンとこないのかな??


いずれにせよ、日本人も中国人も相互理解が足りないように思います。

せめてお互いの国が隣り合わせであることくらいは認識してもらいたいものです。

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