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胖姐看中国  作者: 胖姐
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第五十二話 世紀末救世主伝説……?

功夫(カンフー)”をご存じですか?


ブルース・リー、ジャッキー・チェンやドニー・イェンが映画で披露している中国拳法のことですよ。

私が北京に留学していた時代、偶然知り合った男性が、カンフーの達人でした。

彼は、私の留学生仲間の婚約者で、当時は、天津市の外資系ホテルのホテルマンをしていたと思います。背が高く、筋肉質ではありましたが、どちらかと言えば優男で、あまり強そうな人には見えませんでした。

ところが、彼は中国の国体強化選手に選ばれたこともある、全中国を代表するカンフーの達人の一人だったのです。


ある日、そのカンフーの達人から、


「胖姐さん、今日からの3日間、もしも隙があれば、私を叩いてごらん。いつでもかまわないよ。( ̄― ̄)ニヤリ」


と言われました。

思わず、むっとする私。(-_-メ)

反射的に手に持っていた雑誌を丸めて、ポカっと彼の頭を殴る……ことは出来ませんでした。まるで映画のように、私の殺気を察知して、彼は片手で平然と雑誌を受け止めたのです。

(奥義、真剣白羽取り~~)


「おお~っ、流石ですね。(◎_◎;)……では、私が『参りました』と言うまで、あなたを狙ってもいいですか?」

「もちろん、かまわないですよ。( ̄∇ ̄)ハッハッハ」


それからの3日間、廊下で彼とすれ違ったり、学生寮の玄関で会うたびに、どうにかして一発くれてやろうと色々トライしてみたのですが、その都度、しっかり阻まれました。

一度など、彼の後ろから忍び寄って、頭をサランラップの芯で叩こうとしたのですが、彼は前を向いたまま、後ろ手で”パシッ!”とその芯を止めました。そして逆に芯を奪い取って、私の頭を”ポカッ!”そして一言、


「胖姐さん、まだまだ甘いね( ̄▽ ̄)」


……こんちくしょぉーっ(# ゜Д゜) バ、バカにするなー!

でも、結局、約束の3日間、一度も彼を叩くことは出来ませんでした。

そして、


「師父、参りました……。」<(_ _)>


武道の達人のすごさを骨の髄まで思い知らされたのでした。

人は見た目では分からないです。また、道を究めた達人の技の深さは常人のうかがい知るところではないです。中国拳法、おそるべし。

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