第三十四話 コワイコワイ博物館 その②
第二十七話で、中国の怖い博物館を紹介いたしましたが、また、もう一つコワイコワイ博物館を紹介したいと思います。
その名は『北京自然博物館』です。
まぁ、いわゆる自然科学系の博物館で、東京・上野にある国立科学博物館と同様の施設です。
中には恐竜の化石や様々な動物のはく製があり、中国に生息する生き物の一種として、なぜか”雪男”も展示されています。(実在が証明されていた…のか?)
電動で動く恐竜のジオラマもあったりして、かなりお子様向けの展示物も多いのですが、上層階にある『人体の仕組み』という展示コーナーがすごい!
まるで漫画"パタリロ"のように、人の頭が縦に真二つに割られて脳みその仕組みを解説するホルマリン漬けに始まり、妊娠月(1~10ヶ月)ごとの各種胎児のホルマリン漬け、奇形児のホルマリン漬け、人体の神経だけのホルマリン漬け、内臓のホルマリン漬け、癌の患部だけのホルマリン漬け(末期癌の肝臓や肺の標本がエグイ)などなど……。
一番エグイと思ったのは、若い女性の性器の薄切り標本でした。
しかも、処女膜のヒダヒダ部分に矢印で『←ここが処女膜』の説明プレート付き。
そして、その隣には男性経験済の性器が比較対象として展示されていました。
……これ、誰の??
私が思わず『………(;’∀’)』となって、女性器の標本の前で立ち尽くしていると、課外授業でやってきた小学生の団体が私の隣で熱心に、標本のスケッチを描いていました。
こらこら、そんな小さなお嬢ちゃんが真剣にメモをとるものではありません(;’∀’)
もう少し大きくなってから、お家のお母さんに説明してもらってね。
もちろん全身のホルマリン標本もあり、若い女性とのことでしたが、顔と陰部だけ簡単に布で覆われた状態で、ケースの中にプカプカ浮いていました。
ホルマリンに長いこと漬けられているので、身体からはすっかり血の気がなくなり、外観は鳥のささ身を茹でたもののようで、あまり気味悪さはありません。
人工の偽物でも、ホラー映画などのように血まみれになっているほうが、死体に対して嫌悪感を覚えるんだなぁ~とつくづく感じました。
後日聞いたところによると、標本となっているのは、刑死者や死後献体者だとのことです。全身標本の外観には、まったく破損が見られませんでしたので、もしも刑死者だとしても、銃殺ではなく、薬殺か病死された人なのかもしれません。
なお、私と一緒に博物館を見に行った友達は、『見たものがエグ過ぎて、しばらく食べ物がノドを通らないよ~~』とボヤいていましたが、私は、博物館からの帰り道に、吉野家でガッツリ牛丼を食べちゃいました( ̄▽ ̄) あぁ、自分がコワイ。




