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胖姐看中国  作者: 胖姐
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第三十話 中国には地震が少ない

中国の大都市は地震が少ないです。

四川省や雲南省などの内陸部に行くと、かなりの頻度で大地震も起こっているのですが、北京や上海、香港には、ほぼ地震がありません。

(だから香港や上海には、あんなに重力を無視したヘンテコな形の細長いビルばかりなのです)


私が上海に赴任してまもない1996年のある夏の日の夜中に、体感で震度3~4くらいの地震がありました。

私は、『あ、地震だ。』と、一度は感づいて起きたのですが、さほど揺れていなかったので、また、そのまま寝てしまいました。

翌日、会社で仕事していると、現地の友人から電話がかかってきました。


「胖姐さん、昨晩、地震があったでしょう?大丈夫だった?」

「あまり揺れなかったから、一度起きたけれど、また寝ちゃったよ。」

「え~~っ!!( ゜Д゜) あのね、胖姐さん、ちょっと説明しときますが、上海は日本と違って地震が基本的に無いんですよ。昨日の地震は約100年振りなの。だから、上海の建物は、日本と違って、”耐震構造ではない” んですよ。だから、地震があったら、かならず建物の外に避難して下さい。新しい建物でも、脆くてすぐに壊れるから。」


……今さら言わないでよ~~(;^ω^) 思わず冷汗が出てきました。

ちなみに、その友人は、地震が起きたあと、すぐに自宅マンションの中庭に家族と一緒に避難して、一晩中、屋外で過ごしたそうです。翌朝、安全が確認できるまで、室内に入らなかったとか。


地震慣れした日本人とは逆に、中国人は地震に慣れていないため、日本で地震に合うとパニックになってしまうようです。

私が日本帰国後に勤務していた会社で、中国人研修生を受け入れした時、研修生達が日本に到着した翌日に、震度4強のやや強い地震が起こりました。

日本人社員がすぐに研修生寮に駆け付けたため、ほとんどの研修生は落ち着いていましたが、その後、生まれて初めて体験した地震への恐怖から、ひどい不眠とウツを発症してしまった研修生が1名だけおり、嘱託医の勧めもあったので、途中で研修を打ち切って中国に帰ることになりました。

私がその研修生を成田空港まで送ったのですが、帰国前日に、突発的に自殺や自傷行為をされないように、ウツ状態で眠れない人に付き合って、一晩中起きている(=見張っている)のは、こちらが身体的に辛かったです……。


また、中国で日系企業に勤める知人(広東省出身)が東京に出張に来た際、生まれて初めて震度3の地震にあったそうで、ホテルの室内のペンダントタイプの電灯が、左右にゆ~らゆ~ら揺れているのが、とても怖くもあり、珍しくもあったので、思わず携帯のカメラで動画を撮影した、と言っていました。

ちなみに、その映像を見た他の中国人の反応は、


「うわーっ!コワイ。」

「すごい、地震って初めてみた。」


だとか。

彼女自身もホテルからの避難が必要なのかどうか分からなかったので、TVを付けたら、通常の番組が放送されていたので、『これは大丈夫』と判断したそうです。

(実に賢い判断ですな)


上記の地震の際、私の知人と一緒に中国からやってきた別の中国人は、地震ですっかりパニックを起こしてしまい、同じホテルに泊まっている同行者の部屋すべてに、


「地震だ!すぐに外に避難して!」


と、叫んでまわったのだそうです。

そして、中国から同行していた日本人社員に、


「日本ではこれくらいの地震は普通です!いちいち驚かないで!今何時だと思っているの!?騒いでないで、すぐに寝なさい。」


と、叱られてションボリしてしまったそうです。

何だか可哀そうですね(;^ω^)

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