第三話 香港のお粥は美味しい!!!
中国では、北方は小麦粉文化、南方は米食文化、といいます。
でも、日本人の舌にかなうような美味しいお米はなかなか大陸内で見つからないのです。
たぶん、水の質も影響しているのではないかと思います。(硬質で生水は飲めない)
以前に韓国人の同級生に、『世界でお米の味にこだわるのは日本人と韓国人だけ。中国人は汁気のあるお菜をご飯に乗っけて掻き込んでしまうので、お米自体の味にはこだわっていないようにみえる』と言われました。
お米本来の味だけにこだわらず、大きく"お米を使った料理"としてとらえるならば、中国にも美味しいものはたくさんあります。
日本では一般的ではないインディカ米(長粒種)を使った広東式のお粥や炊き込みご飯、炒飯はお米料理の中でもトップレベルだと思います。
特に私が好きなのは、香港でよく食べられている『皮蛋痩肉粥』。
塩漬けした豚肉と皮蛋(アヒルの卵を灰や香辛料に漬け込んだ加工食品。ピータン)のはいったお粥です。
お粥といっても、米粒が見えなくなるくらいまでスープ(ヒラメの干物などで取った出汁)でじっくり煮込んであるので、見た目はどろっとした白いポタージュスープのようです。
アツアツのお粥で皮蛋に少し火が通り、皮蛋独特のアンモニア臭が薄れて、非常に食べやすくなっています。
皮蛋の黄身がまだちょっとだけトロッとしているところが、卵かけご飯好きの私にはたまりません。
お粥の上に、油条(揚げパン)をちぎって散らして、ちょっと浸かってしなっとしたところを食べると、カリカリ感としっとり感の双方が味わえて、非常にお得な気分になります。
本当の広東式のお粥は日本ではあまり食べられないのが、惜しい!!見つかっても、値段が高い!
自分の体調の悪い時に『食べたいなぁ……』と切実に思う料理です。
ちなみに、香港でどこの皮蛋痩肉粥が一番美味しいのか?と聞かないで下さいね。
あまりにも一般的な料理すぎて、どこのお店が美味しいのか甲乙つけがたいので……。
私の体験として、若者向けのチェーン店はあまり美味しくないです。高級ホテルの飲茶メニュー内にあるお粥もイマイチかなぁ。
街なかにある粥麺専家や茶餐庁のほうがアタリのように思います。
お粥に油条に青菜のオイスターソース掛けでも頼めば、安価で健康的な食事となり、お勧めです。