第二十四話 中国で飛行機に乗ってみた その②
前回に引き続き、中国での飛行機利用にまつわる、ちょっぴりビックリ(◎_◎;)するようなエピソードを紹介します。
エピソード③ 『国際線なの?それとも国内線なの?』
私が上海に駐在していた1997年の秋、週末の休みを利用して、北京に留学中の友達のところまで、国内線を利用して遊びに行くことにしました。
上海→北京は、飛行機に乗っても、軽く1時間以上かかります。ちょうど日本だと、東京→熊本くらいの距離なのかな?
会社に出入りの旅行会社にお願いして、北京行きのチケットを手配してもらい、友達のためにお土産としてクロワッサンや菓子パンを大量購入して(当時、北京にはまともなパン屋がありませんでした)、意気揚々と中国国際航空の飛行機に乗り込みました。
飛行機が離陸してまもなく、こんな機内アナウンスが流れました。
「本日もご搭乗ありがとうございます。当機は上海発、スペインのマドリッド行きです。
マドリッドまでの飛行時間は××時間を予定しております。」
………ありゃ、やっちまった!
間違えて国際線に乗っちゃったよ~。
何だか普通の国内線よりも機内が綺麗だから変だと思った(;^ω^)
でも、上海空港の出発案内には何も注意書きが無かったはず。
パスポートは持っているし、クレジットカードもあるから、最悪、帰りのチケットは買えるだろうけれど、日曜日の夕方までに上海に絶対戻れないよ~~(´;ω;`)ウッ…
マドリッドに着いたら、ともかく、すぐに会社に連絡をいれよう……。
私が悲壮な決意(?)で、心臓をドキドキさせながら、フライトアテンダントに事情を説明したところ、
「あら、お客様のチケットは間違っていませんよ。
当機は、上海発 ”北京経由” マドリッド行きです。だから、北京までは国内線です。
国内線だけのお客様をお乗せすることもあります。」
何ですとー!
国際線のくせに、中国国内で経由地があるだとー?
さっきのアナウンスでは何も言わなかったじゃん(# ゜Д゜)
ともかく、私の焦りはすべてムダだったことが分かりました。
このフライトに乗っているほとんどの乗客は、北京到着後、いったん降機して、北京のイミグレーションで出国手続きをしたあと、再び飛行機に乗り込んで、マドリッドに向かうそうです。
北京までで降りた乗客は、私を含めて4~5人だけでした。
(ターンテーブルに異常に荷物が少なかった)
本当に中国の飛行機のチケットは紛らわしいんだから……。
こちらから聞かない限り、きちんと説明をしてくれないのは困りものです。
エピソード④ 『バターはかじるものではありません』
私の留学時代の友人のBさんが、北京から日本行きのフライトに乗った時のことです。
お昼になったので、乗客に機内食が配られました。
温かいお菜に、パンとバター、サラダといったような、とても一般的なメニューです。
パンに添えられたバターは、銀紙でキャラメルのように包まれていました。
Bさんの隣に座っていた中国人は、どうやら初めて飛行機に乗ったようで、フォークとナイフを使う洋食メニューに慣れていなかったらしく、Bさんが機内食に手をつけて、食べる様子をじっと見てから、おもむろに彼女の真似をして食べ始めたそうです。
彼女がジュースを飲んだら、真似してジュースを飲む。
お肉を切って食べたら、真似してお肉を切って食べる。
パンを一口食べたら、同じようにパンを一口。
別にそのこと自体に問題はなかったのですが、Bさんはパンにバターをつけずに食べてしまったので、真似をして食べていた中国人も、最後にバターが余ってしまいました。
そうしたら、その中国人はバターをつまみあげて、銀紙をむいて、まるでお菓子を食べるように、バターをかじって食べだしたそうなのです。
銀紙の折り目に残った部分も、歯を使って”ベローッ”とこそぎ取って食べています。
そして全部を食べ終えたら、満足そうにゲップを一つ。
Bさんは、その中国人がバターをかじって食べているのを見て、あまりの不気味さに、
『うひゃー。この人、バターをそのままかじってるぅ~(◎_◎;)』
と叫びたかったそうなのですが、ぐっと我慢して知らん顔をしていたと言っていました。
バターみたいな油の塊なんて、それだけを食べて美味しいのかな??




