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胖姐看中国  作者: 胖姐
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第二話 嗚呼、トイレットペーパー

私が中国に初めて足を踏み入れた1990年代初頭は、日本のように真っ白で柔らかいトイレットペーパーというものが、ほとんどありませんでした。


では、普通の中国人が何でお尻を拭くのかというと、いわゆるわら半紙にクレープ加工(しわ加工)した、固~~いピンク色のロールペーパー(その名も金魚印の衛生紙)。

なんとボールペンで表面に字がかけて、いざという時にはメモ代わりになるのに、なぜか水分をほとんど吸わず、お尻を拭くと色落ちして赤くなるうえに、ヤスリで擦られたようにお尻がヒリヒリするという、魔訶不思議なトイレットペーパーでした。


上記のような紙質ですので、とうぜん下水に流せば、溶けずに固まってしまいます。

また、中国は下水管の直径が日本よりもかなり細く、たとえ溶ける紙でも詰まる恐れがあるので、3つ星レベル以上のホテル以外は、使用後の汚紙は、便器脇の大きなゴミ箱に捨てるのが慣例となっていました。(だから今でも中国旅行者の一部が日本のトイレの使用方法が分からずトラブルを起こしています)


でも、私は中国のトイレ習慣にどうしてもなじめませんでした……。

やむなく2ヶ月に1回、語学留学していた大学からバスと地下鉄を乗り継ぎ、片道1時間かけて北京市内中心部にあった外国人向けスーパーに行き、当時2000~3000円(日本円で)くらいした日本製の"水に溶ける"トイレットペーパー6巻入りパックを購入して、こっそり使用後の紙を下水に流していました。

(今だから白状します。排水管が詰まったことは無いです。日本製品バンザイ\(^o^)/)

そして、その日本製のトイレットペーパーは、自室の鍵のかかる箪笥に大事にしまっていました。

(パスポート並みの厳重管理してました。他の学生に盗まれたことがあるので)


当時の私の感覚として、重要品の順位が、①パスポートと居留ビザ、②現金とクレジットカード、③トイレットペーパー、だったと思います。


その後、就職して1990年後半から中国(上海)に赴任することになった時、あれだけ一般的だった金魚印のピンク色のトイレットペーパーが街から一掃されていることに気づき、非常に驚きました。

当たり前のように、日本のように白くて柔らかな(でもまだちょっとフンワリ感に欠ける)トイレットペーパーしかないのです。


有人管理の有料公衆トイレで、ようやく、昔ながらのわら半紙の落とし紙(1回ごとの使用分に予めカットされているトイレットペーパー。日本でも昔は使われていた)に巡り合えた時には、久しぶりに会った旧友のような懐かし~~い気分になりました。


さて、現在ですが、使用後のトイレットペーパーは相変わらず下水に流せないことが多いのですが、使用後の汚紙を捨てるゴミ箱が大きく変わりました。

なんと、所定の場所に汚紙を置くと、センサーにより自動的に1回ごとに密封パックされて、ゴミ箱内部に落ちる"電動式"が出現したのです。(日本のデパートなどでも汚物入れとして時々見かけます)

す、すごーい!!!江戸時代から現代に一気にワープしてますよ。

中国名物となっていた、仕切り無し、壁無しのニーハオトイレも都市部では大きく減ってきました。

でも、相変わらず、なぜか使用中のトイレの個室のドアをあけ放ったり、個室に入る前にパンツを下しちゃって順番待ちするような人もいるんですよね~~。

たぶん中国のかなり田舎出身なのではないかと推測していますが。


中国の田舎出身の人たちって、閉所恐怖症なのかしら???



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