第十一話 毎日お寿司を食べているわけではありません
日本人は、『中国人は毎日中華料理を食べている』と思っていますが、中国人は、『日本人は毎日握り寿司と刺身を食べている』と思っています。
これだけインターネットが発達して、お隣の国の情報がすぐに入ってくるような時代になっても、
「胖姐さんの今日の夕食はお寿司なんでしょ?日本人は毎日、生魚を食べるんでしょ?」
とよく中国人に聞かれます。その都度、私が、
「握り寿司なんて値段の高いものは毎日食べられないですよ。今日の夕食は、ごく普通の日本の家庭料理です。私が自分で作れるのは中華料理が多いですよ。」
と答えると、とてもガッカリした顔をされます……(´・ω・`)
たぶんサンタクロースが実在していないというのを聞かされた子供位にガッカリしています。
(…どんな感じや!?)
中国で一般に浸透している日本料理といえば、"握り寿司"(ネタはサーモン)、"刺身"(マグロとサーモン)、"日本酒"、"豚骨スープの熊本ラーメン"、くらいでしょうか。
次点で、"とんかつ"、"カレー"(甘口)、ですね。
そして、なぜか日本料理というと『定額料金で飲み放題、食べ放題』方式だと考えられています。
恐らく会社の接待や宴会で使うことが多いからでしょうね。
居酒屋さんが多くて、懐石料理を出しているような和食店は、まだまだ少ないです。
中華料理の文化(大皿から取り分ける)の影響なのか、単品で頼める小鉢のお菜の種類があまり無いように思います。
なので、中国の日本料理店で、女性が一人で外食するのは、ちょっと難しいかも(お酒を飲まない人ならば、なおさら困難です)。
昼間は、日本人駐在員向けに、居酒屋さんなどで『日替わり定食』を出していたり、お弁当を販売していることがありますので、まだ和食を口にする機会があるのですが、夕食は難しいです。
野菜の煮物やお浸しなどが食べたい場合は、自宅で自分で作るか、または、外資系ホテルに入っている日本料理店のセットメニューを頼むことになりがちです。
中国でも、上海や香港あたりの大都会だと、デパ地下にちゃんとお惣菜コーナーがあるのですが、ほぼ中華総菜しか売られていないので、和食メニューはあまりないかも……。
和食しか口に合わない方にとっては、中国での生活は地獄同様なのかもしれません。
私は中華料理が大好きなので、長年の中国生活でも全く不便を感じなかったのですが……( ̄▽ ̄)