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胖姐看中国  作者: 胖姐
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第一話 中国第一の風俗街に放り込まれた私

ふとしたキッカケから学んだ中国語を活かして、なぜか中国と深く静かに長く関わって生きていくことになってしまった筆者。

1990年代から現代まで、激動の中国で身近に経験したことや、友人、知人から耳にした出来事を、恩師の勧めもあり、エッセイとしてまとめてみることにしました。(内容の発生時期は前後しています)

中国現代文化の理解の一助になれば幸いです。

私の今の勤務先は中国国内と東南アジアに工場を持っています。

入社してすぐに、研修のため中国広東省 東莞市の工場に研修に行くことになりました。(200X年)

なんとその工場は中国でも最大規模の風俗街がある地域にあったのです……。


私の滞在先となっているホテルは、街中のごく普通のビジネスホテル。

でもテナントとして2~4階に風俗のお店(夜総会。日本でいうキャバクラとデリバリー風俗を兼ねたようなところ)が入っていました。


ある日、定時で仕事を終えて送迎車でホテルに戻り、いつものようにエレベーターに乗ったら……。

夜総会のある4階からお姉さんが3人乗ってきました。


そしてそのうち2人のお姉さんは、オーガンジーの色違いのハッピのようなものを上半身に軽く羽織っただけで、バストもヒップも"丸出し"でした。(でも靴はハイヒールを履いていました)

そして残り1人は、まるでAVに出てくる女教師のようにピチピチの黒の超ミニスカートのスーツを着て、白のブラウスの前ボタンは3つまで開けられておりました。


同性とはいえ、あまりの艶姿にびっくりして固まってしまった私に、3人がニッコリと微笑みながら、


「こんにちは~♪ あれ~?今、仕事終わって帰ってきたの?」


「は、はい……。こんにちは。お疲れ様ですね。…え、えっと…何階に行きますか?」

(なんとかシレッと平静を装う私)


「あ、6階を押してくれる?」


中国一の風俗街に住む日本人女性、しかも中国語が話せるというのは、当時はパンダなみに珍しい存在だったので、ホテルに関係している多くの人々が私の顔を見知っており、私には面識がなくても、先方はなぜか私のことを知っているのです。


そして、6階で降りていったお姉さん方を見ながら、

『なぜ裸の女性が2人に、スーツが1人なんだろう……?』

と、ちょっとズレたことを考えていました。


なお、後日、日本人男性から参考までに聞いたところ、風俗嬢のデリバリー時に、万が一お客様がお姉さんを気に入らなかった場合の"予備"として、もう1人を連れていくのだそうです。

黒服のお姉さんは、マネージャーといって、お客様と風俗嬢との間に立って、価格交渉や調整をする役目なのだとか。(昔の遊郭の"やり手婆"ですね)

その日本人男性いわく、「もしも2人とも気に入らなかったら、気に入るお姉さんが来るまで、マネージャーに『チェンジ!』って言えるはずだよ」とのことでした。


ちなみに、街で最大規模の夜総会には、風俗嬢が約1000名在籍しており、中国各省の出身者が揃っていることで有名でした。(どんな田舎からのお客様にも、その土地の方言で対応可能)


なお、風俗嬢の年齢層ですが、日本よりはるかに若く、14~25歳くらいまで。

なぜ中学生ぐらいの年齢層がいるのかというと、年齢をごまかして最初は工場勤めをしていた子が、低賃金の単純作業を嫌って、短時間で高収入の風俗に転職する例が多いからなのです。

だから、日本人駐在員は、接待で行った夜総会で、運が悪いと昔の部下に会ってしまうこともあるのだとか……。

(うひゃー、気まずい……)


すでに中国研修時に三十路を超えていた私は、お姉さん方から見ると、"お墓に片足を突っ込んだババア"なのでした。悲しい。

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