息子がみていた世界は不思議に溢れていて、歪なんだと気づいた今日この頃
感想を貰えれば嬉しいなと思う今日この頃。
微かな期待を抱き過ぎずに日々暮らす。
「ねえお母さん、人は一人では生きていけないんだよね。」
「ええ、そうよ。」
「でもね、僕の学校の友達はクラスメートにいたずらをしているよ。でも、いたずらされた子もいたずらした子も二人とも笑っているんだ、楽しそうに。だからね僕は考えたんだ、もしかしたら友達は皆に構って欲しいんじゃないかって。もしそうならその友達が皆にいたずらをする理由は、皆に気づいてもらうためで、一緒に話してくれる人を探しているんだ。僕のクラスメートは皆がそんな感じで、おとなしくて静かな子もいるけど、皆が皆と話したり喧嘩したり、笑っているんだよ。だから大人も同じなのかなって調べたんだ、そしたら大人も同じように人と関わらないと生きていけないんだって分かったよ。でもね、大人や大きいお兄さんやお姉さん、中学校や高校生っていう人たちも、なんか僕たちとは違ったんだ。お母さんはこの違いが分かる?」
子供はまだ小学二年生で簡単な計算や漢字を習っている。学校に通っていて授業も何となく聞いていて、友達と遊んでいた。特に他の子供と大きく違うところは無く、時に喧嘩したり時に泣いていたりする息子が、急に難しそうな質問をしてきている。
私は我が子が何を言いたいのかよくわからずに、なんて共感すればよいのか、なんて答えればよいのか悩んでいた。しかもその質問は深い意味をもっているような気がして、正しく答えなければ息子の将来に関わるような重要な質問のように感じる。だから間違ってはいけないと思い、素直に息子に分からないよ教えてって聞いた。
そして私は息子の話した内容に、軽く戦慄する。
「分かったお母さん教えるね。僕が感じた違いは、僕たちは喧嘩したり笑ったり泣いたりして一緒にいるのに、大人たちや中学生高校生っていう人たちは皆が皆といっぱい話さないんだなって思った。勉強が忙しいのかなって仕事が忙しいのかなって、大変だなって凄いなあって思う。だけどね僕は思うんだ、何で自分から周りと離れちゃうんだろうって、何で自分から皆とはなれちゃう言葉や、行動をしちゃうのかな。どんな人でもひとりは寂しいと思うんだ。僕は友達が一人はいないと何か怖いし、お母さんがいるから寂しくないよ。大人や僕よりも大きい人たちは、いろんな人たちと会えてひとりにならないなって思っていたけど、それは間違いなんだって気づいた。いろんな人たちがいても喧嘩すること無く話すことも無く、笑うこともなければいっしょにいることは出来ないんだ。一緒にいたとしても心がないなって思う。ひとりは皆怖いと僕は思うから、それが本当なら今ちかくにいる人を大切にした方が良いのに、大切なことを大事なことをいつの間にか、当たり前だと思って忘れていっちゃうんだな。大切なものって無くした時にしか分からない事が多いような気がする。そのものが大切なんだって事を、いつの間にか忘れてしまうから。ねえ、ふしぎだね。」