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9/21

金成太志、真面目に事件に対応する。

※サブタイトルと反比例して中身がふざけたものだとしても、これが作者の平常運転だとご理解いただけると幸いです。

※2017/6/8 加筆と修正。後書き追加。

 情報収集である。

 リーダーオークが言うには、完全にこちら側の動きが筒抜けだったという。

 よって、必然的に内通者の存在が浮かび上がるわけだが、彼にはそれが誰だかわからないという。


 一番簡単な方法は、身内を疑うことだ。

 今や、三百十数人まで数が減ったとはいえ、そのなかから裏切り者を尋問で炙り出すという方法は、何時、勇者たちが襲ってくるかわからないという現状では時間が無さすぎる。


「というか、そもそもオークに裏切り行為は難しい気がするぞ」

「その根拠は?」

「オークは基本、バカじゃねーか。それも女騎士とか姫騎士相手に粗チンを荒ぶらせるのが唯一のアイデンティティみたいなところあるだろう」


 黙りこくるリーダーオーク。かなり痛いところをえぐったかもしれん。


「というわけで、俺の予想だと裏切り者はこっちだろう」


 オレは窓から見える中庭を指差した。


「ハンッ、何もないではないか。ハッタリはよせ」

「いやいやいや、俺が言いたいのは事件のあった日の夜にいた奴隷たちこそが怪しいということだ。中庭を指差したのは、その奴隷たちが今、どこにいるかわからないから、そこにいないのを承知で指し示した。まさか、真顔でウソつき呼ばわりされるとは思ってなかったがな」


 俺の言い方に余程ムカついているのか、リーダーオークの歯軋りが聞こえた。

 気晴らしなのか何度も眼鏡を上下させているが、その手先が震えていて上手くできないでいる。

 あと一回ほどバカにしたらキレるかもしれん。


「今、奴隷たちはどこにいるんだ?」

「こっちだ。付いてきてくれ」


 俺とリーダーオークとのやり取りに危機感を持ったのか、ベテランオークの一人が先導役を買ってでた。

 彼についていく形で、何の変哲もない石造りの工場のような場所に来た。

 重厚な扉を開くと、大広間があり、下に続く大きな螺旋階段がひときわ目立った。

 螺旋階段の両端に見張りのオークがいて、そのオークたちが我々を見て多少混乱していた。


「どうした?」

「ヲヲヲヲ、ヲヲヲヲメーラハハハハ、本、物、カ?」


 言い方がたどたどしい。なるほど。オークの世界では知恵が足りぬ奴は門番をやるのか。

 これじゃ、色々とザルなのも納得だ。

 知恵の足りぬ奴相手に、ベテランオークやリーダーオークが本物証明合戦をやっているが、それよりももっと簡単な判別方法がある。


「おい、門番」


 俺はずいっと前に出てモデルのポーズを決めた。

 もちろん、マッパだ。ポージングの最中の危うい視点では、ホルスターが良い仕事をしている。


「お前がさっき見たメンツに俺は居たか?」


 ホルスターをくるくると回らせながら、ハッスルな腰使いで門番の視点を釘付けにした。

 門番は気持ち悪そうな顔をしていたが、首を横に振った。かなり激しく。

 その反応を見て、俺は満足した。


「リーダーオーク、賊はどうやら既に侵入済みだ」

「なんだと。畜生! おい、キーン、カーン、トーン、ここで門番と共に出口を固めろ。

 フトシ、お前とその娘はこの階段を下り、逃げ出そうとする勇者一行を迎え撃て」

「で、リーダーオークは?」

「もちろん、あとを追う」

「一緒にいってもらっても良いんだが。つーか、俺はここに来たばかりでまともに場所がわからないんだが」

「んなもんは根性で道を覚えろ。リーダーにはリーダーにしか出来ない仕事がある。さっさと行動しろ!」


 まさかの強権発動でいきなりフリーになった。

 仕方がないので仕事をするふりをして階段を少し降る。正直、螺旋階段は相手の気力を折ることを目的に作られているかのような、底の見えない階段で、これをバカ正直に降るのは時間の無駄だろう。

 上の慌ただしさが静まったのを機に、上に戻ることとする。

 その際、俺はホルスターからあるものを取り出した。


「それは何ですか? フトシさま」

「クレイモアだ。指方向性のアレな」

「もし、真面目にこの階段を上ってくるような勇者がいたら、悲惨なことになりますね」

「いや、この階段を用いて昇らざるを得ない状況に追い込めば、輝くわな」

「疲れてヘトヘトになっているところに容赦の無い追い討ちですね」


 石で出来た階段だったが、クレイモアの刺す部分はうまく突き刺さった。


「ようし、ノーリ、今から上にあがるぞ」

「どうするのですか、フトシさま?」

「あのリーダーオークの強権振りからして隠し通路のようなものがあるに違いない。そして、俺の知っている勇者だったらきっと俺の考えている行動をとるはずだ。リーダーオークを救うぞ」


 ☆


 とはいえ普通に上に戻って、門番からの職質を浴びるのも面倒だった。


「そこで、魔法の出番です。ジャ、ジャ~ン!」


 というわけで、ノーリから幻惑魔法をかけてもらった。

 インビジブルだったかステルスだったかとりあえず、姿が見えなくなるタイプだ。

 念のために足音を消し、素早くその場を立ち去った。

 懸念されたのはオークという種族ゆえの鼻の良さだったが、魔法の効果だろうか、特に気にも止められず階段から去ることが出来た。

 逆にこちら側はリーダーオークが残した体臭を頼りに後を追った。


「フトシさま、リーダーオークは身体にどんな臭いがするのですか?」

「微かにだが、香水の匂いがした。リーダーオーク所有の奴隷が付けているのものなのか、はたまた今回の連れてこられた奴隷の誰かがつけているのかは知らんが、今回は有り難いことだと感謝だな」


 階段のあるエリアとは別の扉があった。

 燭台がスイッチで、隠し扉が開く。

 扉の向こう側は隠し通路になっていた。

 一切の明かりが期待できない真っ暗闇だったが、幸い、我々は豚と狐の獣人コンビである。

 暗視が使えるため、さほど困らず、音と姿を消しての移動が続行中なので、同族やこの闇の中で生きるモンスター(例えば、光を嫌う黒いスライム・コウモリ)との遭遇はなかった。

 同族はゾンビ化した奴が数匹うろついていた。

 どういう経緯でこんなところでゾンビ化するのだろうか。

 疑問はすぐ解けた。


 通路の奥には部屋があった。

 鉱山を移動するときに用いる鉄の網を箱形にしたエレベーター装置の前で、呪術を記した札を指に差した東洋風の女が、リーダーオークたちを相手に奮闘していた。

 女が手持ちの札に何かを念じ、それを地面に投げると地面に触れた土の塊が無数のムカデの形になってベテランオークの一人を覆うように取りつき身動きを完全に封じた。

 確か、ムカデは刺されたら痛い毒を持っていた気がする。だが、無数のムカデに身体のあちこちを噛まれたベテランオークは解放されたときには毒による腐食が著しかった。

 仲間の変貌ぶりに、一人が激昂して女に襲いかかった。

 手持ちの、使い慣れたハンマーが大きく唸る。

 だが、唸るのと当たるのは別である。

 数回振り回してへばっているところに女の札が、ベテランオークの額に貼り付いた。

 呪力を付与された紙の札がオークにその力を移し込む。

 呪いの力を前に、ベテランオークは力尽きた。だが、すぐに立ち上がると赤く光輝く眼となって、使い慣れたハンマーを残りのベテランオークとリーダーオークに向けた。

 いつの間にか腐食の毒で息絶えたオークもそのグループ内に仲間入りし、ついでに仲間を呼んだ。

 広い通路内にて漂っているだけだった腐食の激しいオークたちが続々と集まってくる。

 最後の一人だったベテランオークは恐怖で逃げ出して、変わり果てた同族に捕まった。

 残るはリーダーオークのみ。


「ノーリ、爆撃魔法があったとしてリーダーとあの女は生き残れるか?」

「少しお待ちくださいませ、フトシさま」


 こちらの指示に疑念を挟むことなく従う若狭さんをよそに、俺は妄想を掻き立てた。

 今回のオカズは東洋風の呪術女である。

 俺のマッパの部分から巨大兵器がせり出してきた。

 今回は、四連装ロケットランチャーである。

 俺の脳内イメージに弾薬が充填され、発射可能状態となる。

 その間の俺は、両手を組んで、両足を大地に固定するかのように踏み込み、巨大兵器の発射の瞬間を待っているだけだ。


「大丈夫です、フトシさま。イケます」

「fire!」


 俺の言葉を待っていたかのように一目散に飛び立つ火薬たち。

 着弾するや否や、派手な爆音と共に豪風と灼熱を振り撒いた。

 若狭さんの指摘通り、魔法結界で耐える女と負傷するも再生能力でよみがえるリーダーオークの姿があった。


(金成家流児戯奥義……)


 実は、俺はその爆風のなか、呪術女に再接近していた。

 女の後ろを取り、腰を屈め、指先に力を込める。

 指先に一念が宿り、太く固くなった。


(カ、ン、チョー!!)


 と心のなかで必殺技を叫び、女の東洋風の衣服の上から目的の場所へと貫きの技を披露する。

 技は的確に目的の場所へと達し、女は目から大量の涙を口から大粒の泡を吹き出して、轟沈した。

 女の呪力が途切れたことにより、爆殺されてもなお復活しようとしていたオークたちは完全に事切れ、キラキラと光る魂が天へと昇っていった。


 ちなみに女であるが、冒険期間が長いのか野菜不足によりンコの匂いが臭かった。

 味見には至らなかったので、女の服の端にンコを擦り付けておいた。


 決着がついてホッとしたのもつかの間、若狭さんの折檻モード全開なオーラが待ち構えていた。

 狐娘姿の美少女なのに、こう、説明のつかない貫禄に俺は押された。

 そしてそのまま、お仕置きのスパンキングロッドが振るわれ、俺はしばらくの間、プギープギーと泣く羽目になった。

 決して、そういうプレイではない。絶対にだ。

<目撃者Wの走り書き>


 フトシさまはヒマそうに庭先を見ていました。

 つい最近、フトシさまは学校で程度の低い苛めに遇い、不登校でした。

 そこへ料理長のチョーさんがフトシさまに悪戯を教えます。

 試しにフトシさまはタバコ休憩に来た焼き方のアインにチョーさん仕込みの浣腸を。

 アインが「アイーン」と叫んで陥落するのを見て、目を輝かせるフトシさま。

 その矛先の顛末です。


 ①チョーさん:不発。

 ②アイン:別の何かが破れた音がした。

 ③チャチャ:別の何かが破れた音がした。

 ④コージ:クリティカルヒット。悶絶のち気絶。

 ⑤のり子:姿を見せず。

 ⑥杏餡:大喜び。

 ⑦静香:無反応からの鉄拳。フトシさま、ふっとびー。

 ⑧ブー:最後にペットに対して非情の浣腸。脱糞を顔に受け、大泣き。

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