学生
「サクラ・フィリシアです。どうぞよろしく」
サクラは美しく、ひとつ、お辞儀をした。
サクラ達が入寮したのは一昨日のこと。
アルムと3人で寮の食堂に行って、注目を浴びたり、昼は全く食べないサクラが食事をする光景にセイが違和感を感じたり。
昨日、一昨日も色々あった。
そして現在、サクラとセイは教室の前に立ち、自己紹介をしている所だった。
「…セイ・リュース、だ。……よろしく」
「ほな、質問タイムと行こか、まず自己紹介してから、質問なー。幸い、一時間目はボクの担当教科の魔法論理学や、この時間を使ったってもええで」
「ロー先生、はーい」
「ん?よっしゃ、エレクトロ」
手を上げたのは、黄色い髪に黒いメッシュが入っているショートヘアの髪の女の子。
そして一番特徴的なものが、頭の上でピクピクと動く物体。
少し丸みがかかって入るが猫の形をしたそれは、色合いからしても正しくトラの耳だ。
「ほいほーい、んと、あたしはコハク・エレクトロ。見ての通りかわいいネコ科の獣人ニャ」
「猫っつっても、虎だろ虎ー」
「そこ黙ってな!」
ウインクしなら言ったコハクの言葉を、クラスの男子が放った言葉が遮る。
ビシッと指差された先には、先の言葉を放った男の子。
満足気に笑ったコハクはまた顔をサクラ達に…否、ローレンに向ける。
「先生は、素直に授業をサボりたいことを認めればいいと思うの」
ニッコリと笑ったコハクはそのまま着席する。
きまずげに謝ったローレンの後にサクラ達への質問会が始まった。
「よーし、ほなそろそろ時間や。皆ひと通り自己紹介したやろ?リュース達も席に付き。場所はエレクトロの後ろ辺りの開いてる2つや。窓側がフィリシアな」
そう言ってローレンが差した先には確かに2つの空席が。
因みにコハクが座ってるのは窓から2列目後ろから2つ目である。
2人は黙って席に着いた。
「次の授業何やったっけ…そや、思い出した。今日は次の古語、その次の戦闘学までの午前中で終いや。んで、わいは、帰りのホームルームは来んから、先言っとく。明日は使い魔召喚を一日掛けてするからそのつもりで。フィリシアとリュースは魔武器錬成もするから覚えとってな。戦闘学終わったら各自解散で、ほな、よろしゅう」
ローレンはヒラヒラと手を振って教室を出て行った。
もうちょっと1頁の文字数少なくしようと思います。
と言うか、文字数にかなりの差が出るかもです。