表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/16

国立スペサルテイン学園」

「ちゅうわけで、ボクが学園案内することになってんけど、どっか行きたいとこある?」



そう、学園長にローレンのことを軽く紹介された2人。


その後すぐに、ローレンが学園案内をするという名目のもと学園長室を追い出されたのだ。



「いえ、とくには」


「そうか?んーなら、教室、第ニ訓練場、食堂くらいやな、んで、最後に寮行けばええやろ」



独り事のようにそう言ったローレンは歩き出す。


桜とセイその後ろをついて行く。



「自分ら何で3年編入なん?他の高等部行っとったわけでも、飛び級っちゅうわけでもないんやろ?」



歩きながら首だけをこちらに向けそう聞いてきたローレン。


しかし、顔は答えを聞く前に前へ向けられてしまった。



「聞いてないんですか?」


「ん?そや、君らの情報は必要最低限のことしか知らんで?入学前に学校通ってたんやったらその学校んこととか分かるはずやけど、書類に書かれてなかったし、年齢は3年で合ってるから飛び級とは言わんし。まあ、リュースはちょっとちゃうみたいやけど、ぎりぎりボクんが年上やから堪忍な」



学園長から事情を聞いたりはしていないらしい。


桜はとりあえず隠しておくことにして簡単に誤魔化した。



「ほい、此処が君らがこれから通う、ボクの担当クラス、3-Aや。当日LHRで君らの紹介をするから、よろしゅう。この学園はほぼ持ち上がり状態やからうちのクラスは仲ええねん、心配せんでもすぐ馴染むと思うで。んで、次が第二訓練場やな」



ニッコリ笑いながらそう言うと、ローネルは歩き出した。



「訓練場はよう使うからちゃんと覚えとき。第二訓練場やからな」


「…一体いくつあるんだ?」


「んーとな50くらいやったと思うで」


「そんなあっても使わないでしょう」



呆れた声を出した桜に苦笑いを浮かべるローレン。


人差し指で自分の頬を引っ掻いた。



「闘技場は全校生徒が余裕で入れるくらい広い。それに、試合が10組同時に出来るような造りになっとる。だいたい大会とかに使われる場所や。んで訓練場が一クラス1つ割り当てられとる感じや。やから、Sが第一。Aのボクらが第二闘技場を使う。ここや」



そう言ってローレンは大きな建物の前で止まった。



「…開いてる」



セイが何気なく扉を押すと、何の抵抗もなくあっさりと扉は開いた。



「なんや、誰か自主練しとんのかいな。訓練場は生徒会か担任に許可取ったら、使用自由やねん。誰がやってんねやろか」



ローレンはそう言うと中途半端に開けていたセイをどかし中へと入っていった。



「おぉ!自分か、自主練しとんのは!」



ローレンのその言葉と同時に、桜達は中にいる人物を視認した。



「ん?ロー先生!どうしたんですか?こんな休日に」



ローレンにそう声をかけたのは黒髪茶目の男の子。


黒縁眼鏡の向こうで赤に近い茶色の瞳がローレンを見つめる。



「アホ、自分らが休日でも、ボクら教師は休日とちゃうで。今日は編入生の案内や」


「編入生?」



そう言うと男の子は赤茶の瞳を桜達へと向ける。


その言葉に反応して桜はふわりとした笑顔を浮かべる。



「私は今度3-Aの編入する桜よ。貴方は新しいクラスメイトかしら?」


「え、…あ、うん。俺はアルム・フライト、です…」


「ふふ、同じクラスになるんだし、敬語はいらないわよ?それと、こっちが」


「…セイ・リュースだ。…よろしく」


「あ、よろしく」



桜の顔をぼーっと見つめていたアルムもセイが話しかける頃にはしっかりと返事をした。



「そうや!フライト、自分、ボクの頼み事聞いてくれん?」


「…何ですか?」



まるで自分に喝を入れるように一度首を叩いた後、怪訝そう…嫌そうに顔を顰めながらアルムは言った。



「ボク、今から教員室戻って仕事したいから二人のこと案內したって欲しいねん。あとは、食堂と、寮だけやから」


「案内…」



アルムはチラリと二人の顔を見た後もう一度ローレンを見る。


深い溜息を1つ吐いた。



「分かりました。訓練場閉めるんで代わりに鍵返しといてくださいね」



チャラリ、と音を立てて出した鍵をローネルに見せるアルムにローレンは大きく頷いてみせた。






「此処が食堂。此処が開いてるのは基本6時から18時。量の方にも、もう一つ食堂があって、そっちは16時から8時まで。休日は一日開いてるけど」



そう言って開けた扉は3m程。


この扉はいつも開いていて、先ほどアルムが言った"開いている"とは物理的な意味ではなく、食堂がやっている時間の話だ。



「大体、全校生徒の1/3くらいじゃ無いかな?此処に入るのは。購買もあるから、そこで買ってお昼を別の場所で取る人も多いよ勿論弁当を持参する人も多いけど」



次。とつぶやいて、アルムは歩き出す。



「寮も案内するって事は、サクラ達も入寮するんだ?」


「ええ、明後日くらいには荷物を運び入れる予定よ私もセイも」



それを聞いて思案するように宙を見つめるアルム。



「…そう、ならセイドリックは僕と同じ部屋になるかも」



ニッコリと笑ったアルムの予想が当たっているのを知るのは十数分後のこと。

寮は女子寮、男子寮と分かれてて、学年、クラス毎に階が決まってます。

3-Aは男子の割合が高いので、アルムは数少ない1人で二人部屋を使っていた人です。


割合は女と男で2:5

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ