電話
「あー・・・。なんでかなぁー・・・・。ケホケホッ・・・へくしょんっ・・・。」
昨日のデートで男の子にジュースをぶっかけられ、見事に風邪をひいた私。
部屋で一人、寝込んでいる。
誰もいない・・・そんな休日に、家に一人でいるなんて・・・・!
ついてない。
本当についてない・・・。
あれから、彼氏のたかちゃんに送ってもらって・・・、それからなんの心配もされていない・・・。
家におみまいにくるかなーなんて思ってたけど、甘かったみたい。
現在、夜の8時半。
ぜってぇ来ねえな・・・。
あいつ、9時になったら寝ちゃうもんな・・・
カチ コチ・・・・・・
時計の針の音が、静かなこの空間に響き渡る。
なんだか、少し不気味で、不安になる・・・
一人って、さみしい・・・。
そう、おもったとき
♪♬♫ ♬ ♪♪♬ ♫♪~~~~~
ケータイが鳴った。
画面を見ると、「たかちゃん」と表示されている。
私はすぐに電話に出た。
「もしもしっ。」
「なんだよ、あわてて。」
「え、ああ、だいじょーぶ!」
「あぁ、そう。で、熱下がったか?」
「うん、少しはね。」
「そーか。ちゃんと寝とけよ。オマエ、寝ぞうわるそーだな。見た目からして。」
「そんなことないし。」
正直、いらっときていた・・・
「ま、早く治して学校来いよ。じゃ。」
そう言って、一方的に電話が切れた。
嬉しさと、どきどきで、胸がいっぱいだった・・・
また部屋に静けさが戻り、さみしさが倍増した
*
一人じゃないと、君に言ってあげたい。
もう、君は一人じゃない
たくさん、仲間がいるよって