28話 「居所は爛漫と」
アリスとメイトに先導されて向かったのは湖上都市ナイアスの中央区付近にある第二歓楽区だった。
ナイアスの中央区は一番人が集まる商業区域になっていて、第二歓楽区はそこからわずかに西にずれた辺りだ。
周りには煉瓦造りから木造づくりまで、趣向のさまざまな商店がちらほらと見えて、さらに露店商の姿も見える。
商業区域からはみ出した商人たちがそうして歓楽区で商売をしているのだ。
おかげで、一言に商業区とも歓楽区とも言いきれぬ様相を呈している。
そんな街中を、彩色豊かな街燈を眺めながら〈凱旋する愚者〉の面々が歩いていた。
「――ここだよ」
しばらく歩くと、先導していたメイトがついに歩を止め、おもむろに口を開いた。
彼が指差した先。
そこには巨大な白石造りの建物が立っていた。三階建てで、それとなく豪奢だ。
入口と思われる大きな門の上には〈爛漫亭〉と描かれたプレートが貼られている。
宿の壁には花の壁画が刻まれ、さらに蔦系の植物が引っかけられていたりで、『爛漫』という言葉を裏切らぬ装飾が施されていた。
ギルド員たちがそれを見て各々にリアクションを取っていると、
「はい、ではそろそろ中に入りましょうか」
アリスがひとりでずかずかと中へ入っていってしまって、彼らは慌ててついていった。
そうして門をくぐった先に広がったのは、暖色系で整えられた壁紙と、待合用の椅子と、亭主机。
そして――
「よ、ようこそいらっしゃいました」
ビクついている獣人系の亭主の姿だった。
◆◆◆
「こ、これはこれは大勢でお越しくださいまして……あっ、あの、さきほどご予約いただいた〈凱旋する愚者〉様御一行でよろしいですか?」
「はい。総勢五十人です。――あ、宿賃はとりあえず一週間分を毟って――いえ稼いできましたので、あらかじめ渡しておきますね」
そういってアリスがじゃりじゃりと音がする革の袋を三つほど亭主に渡した。
獣人の亭主はそれを受け取ると、おそるおそるといった体で中身を確認し、ビビりながらも一枚一枚金貨の柄を確かめている。
「そういうところはきっちりしてるのね……」
サレが亭主の中に確固とした商人気質を確認し、おもわず苦笑する。
そのあとでさらに観察の目を亭主に向けた。
単刀直入に第一印象を述べれば、まさしくその亭主は『犬』であった。
完全に顔が犬なのだ。獣人系といっても、シオニーやクシナとは違う。彼女たちが人を中心として獣に寄っているとするならば、亭主は逆だ。
獣を中心にして人に寄っているのだ。
細分化すればその顔はコヨーテのようにも見えるが、
「もしかしてシオニーの親戚?」
その辺を大きく括って、サレがシオニーに皮肉を含ませつつ訊ねた。
「……食休み状態でツッコむのが面倒だからとりあえず一回目はおいておくぞ、サレ」
「あ、うん……」
ジト目に少々の攻め気を載せつつも、結局シオニーはそれをスルーした。
――ちょっと寂しい。
サレは胸中で吐露する。
すると、シオニーがさらに次の言葉を投げかけてきていた。
「――あの亭主は〈半獣人〉だ。半獣人は私とかあの猫みたいな獣人種とは少し違う。私たちは言いかえれば、純人に獣が『憑いた』ような形態を取っているが、半獣人は完全に人と獣が混ざり合っている系統の獣人をいうんだ」
「へえー」
「獣人は化身によって人型とか獣型とか、あるいはその半々とかを使い分けるけど、半獣人にそういう能力はない。生まれたときに象った形態のままだ。大体は二足歩行に適用した獣姿、みたいになるらしいよ」
「ほうほう」
「むしろ獣人系でいえば半獣人の方が数自体は多いと思う」
「ふむ、なるほど」
また新しい知識が増えた、とサレが少しの嬉しさを感じていると、今度はクシナが寄ってきて、
「確かにあいつは半獣人だけどな……よく見ろ、足元――」
親指でさりげなくクシナが指しているのは、金勘定をしている犬亭主の足元だ。
サレはクシナに従って犬亭主の足元を見て、おもわず目を丸めた。
「――足透けてるんだけど」
「元半獣人の〈霊体種族〉だ、あれは」
「や、ややこしいなぁ……」
「霊体種族って一言に言ってもいろいろある。あの犬はたぶんそん中の〈死族〉だと思うが、だとしてもよっぽど性質が良い。理性も確かそうだ。ああいうのは生まれ持った資質が良かったか、術式による現世回帰なら術師の腕が良かったかだな」
ずいぶんと聞きなれない単語がクシナの口から流れ出てくるが、今聞いても一度には理解できなさそうで。
サレはとりあえず一番気になったところを深く訊くことにした。
「その言い方だと死族って基本的に性質悪いの?」
「死族が全部が性質悪いってわけじゃねえけど、死族は肉体の死に魂が中途半端に引っ張られておかしくなってるやつも多いからな。死族として転生できたとしても、生まれ直したらおかしくなってました、なんて話も聞く。そもそも死族になれるかどうかもその魂の資質によるから、転生できただけで儲けもんだとは思うぜ」
「へー」
「だからあの半獣人が本当に死族なら、わりと珍しい『綺麗な死族』ってわけだ」
魂という単語を聞くと、ついつい自分の境遇と重ねてしまいそうになる。
サレはクシナの説明を聞いてふとそんなことを思った。
――ていうか俺、すげえ手が込んだ死族みたいな立ち位置になるのか!? ――いやいや、待て待て。第一に俺は死んでいない。いや、死んだけど、俺自体は死んでないようなものだ。うん、たぶんな。
すでに曖昧だ。
――肉体は結構死んだけど、魂側はうまい具合に死を回避してきてる。……はず。
推測に論拠が持てない。
なんとも怪しげな理論だ。
「ダメだっ、考えるだけ無駄に思えてきた!」
「うおっ! ――い、いきなりなんだよ……」
「ああ、うん、なんでもない、なんでもない」
サレはひらひらと手を振って答えながら、そのあと何回か同じ事柄について思索を巡らせた。
しかし例のごとく答えは出ず、結局途中で諦めることにした。
その頃になってようやく亭主が金勘定を終えて、今度は犬顔を満面の笑みにしていた。
「確認しました。間違いなく、一週間分をお預かり致しました。どうぞ〈爛漫亭〉でごゆるりとお過ごしください。お部屋の方、二階と三階は〈凱旋する愚者〉の皆様の貸切となっておりますので、周りを気にする必要もございません。一階には大広間に食堂と浴場、中庭などの一通りの施設がそろっておりますので、ご自由にお使いくださいませ」
「ちなみにそのへんの施設は別料金ですか?」
「いえ、施設の料金も宿代に含まれておりますので」
「そうですか、それはよかった」
アリスはホっと一息を吐いてから、盲目の瞳を犬亭主に向けて、ゆったりとした一礼と共に言った。
「――私たちはテフラ王国では新参者ですので、なにかとご迷惑をおかけするとは思いますが、なにとぞよろしくお願いいたします」
「いえいえ、お気になさらずに。代金を支払っていただいた以上、私共も誠心誠意お世話をさせていただきます。それが宿の亭主――ひいては湖都ナイアスの『商売人』としての矜持ですので」
アリスの一礼に対し、亭主も深く一礼を返した。
すると、不意に亭主の裏側にあった扉から同じような犬顔をした二人の半獣人が出てきて、
「あ、こちら妻と娘です。共々お世話をさせていただきますので、お見知りおきを」
重ねて一礼をされた。
その後、亭主から爛漫亭の間取り図をあずかり、ギルドの面々は一度爛漫亭の外に出た。
この宿を使うにあたって、部屋割りを決めねばならなかったのだ。
◆◆◆
日が沈み、辺りが暗くなった頃、ようやく『それぞれがどの部屋に入るか』という議題にも終わりが見え、各々が一日中張りつめていた緊張を息に込めて盛大に吐き出していた。
「――アリスが三階の一番広い部屋だね」
「実働の多い方もいらっしゃるという中で大変恐縮ですが、そういうことになりましたね」
「いいじゃん、アリスだってギルド長なんだし。それに護衛としてマリアとプルミが交代で居座るんだから、それを見越しても広い方がいいよ」
アリスがやや気が引けたように言っていたが、それをサレが宥めた。
アリスはサレの言葉を受けて「ふむ」と重くうなずくが、結局――
「――そうですね。では、ここは皆さんの好意に甘えましょう」
おとなしく納得の返事を返していた。
次いで、
「しかし、マリアさんはともかくとして……プルミエールさんも同居を求めてくるとは思いませんでした」
アリスは少し小首を傾げながら、その耳に白翼の羽ばたき音を聞いて、音の方向に顔を向けていた。
そこには、やや上気した頬をぷくりと膨らませたプルミエールがいて――
「い、いいじゃないっ!! アリス! あなたには女らしい身なりの作り方とか、超高貴な立ち振る舞いとか、冴えない男を跳ね除ける方法とか――いろいろ教えておきたいのよ!! あなた元王族のクセしてそういうのあんまり習ってこなかったようだし、素材は良いんだから今のうちに覚えておきなさいっ!!」
「照れ隠しなのか本気なのか判断がつかない物言いはやめてください。対応に困ります」
「ぐっ、ぐぬう……」
「プルミがギリウスみたいな反応したぞ、おい」
その反応を見るに照れ隠しというのは図星なのだろうか、とサレが内心で驚く。
そんなことを考えていると、すぐに他方から野太い声があがってきて、
「我輩、口調はともかくとして、あんな渋い顔はしないのであるよ? あれはプルミの個性であるよ? ――まったく、一緒にされても困るのである」
ギリウスがここぞとばかりに嘆息していた。
「ギリウス、最近反撃できそうなときはアグレッシブに反撃するようになってきたな」
「クハハ、やられっぱなしは嫌であるからな!」
目を細めて得意げに鼻ならすギリウスだったが、その様子はプルミエールにも観察されていた。
そして、そのプルミエールの瞳に怪しい光が閃いていたのもサレは見ていた。
――言わないでおいてやろう。せめて今だけでも仮初の優越感に浸らせてやろう……!
いずれギリウスに降りかかるであろうプルミエールからの逆襲、という未来図を予測し、サレは心の中で友に対する同情の言葉を浮かべていた。
「――んで、俺がアリスの部屋の隣か」
サレは思考を切り替え、間取り図を指でなぞりながら自分の部屋の位置を確認する。
自分の部屋もアリスと同じ三階だ。
さらに言えばアリスの部屋の隣だ。
――よし。
隣であることにはもちろん意味があった。
アリスの護衛だ。
内部にはマリアとプルミエールのどちらかが常駐するが、それだけでは不十分かもしれない。
かといって内部で一緒に生活するわけにもいかないので、サレはアリスの部屋の隣に入ることになった。
しっかりとそこに自分の名前が描かれているのを見て、サレは納得のうなずきを作る。
そうして、手もとの間取り図を近場にいたギリウスに手渡した。
「――ふむ、我輩も広めの部屋であるな」
ギリウスが間取り図を見て唸り声をあげる。
「ギリウスは体がでかいからね。俺たちと同じサイズの部屋だとなにかと不便だろう? 一応空戦班長なんだし、皆より少しくらい広くたって気後れする必要はないと思うよ」
急速に太くなる信頼関係を考慮しても、ほかの面々は文句ひとつ言わないだろう。サレは胸中に思った。
事実、批判の声はあがってきていない。
それは、あの『王剣遭遇戦』においても、それ以前の一月の共同生活においても、それ以後のテフラ王国への旅程においても、ギリウスが一際大きな働きをしてくれていることを誰もが理解していたからだった。
ときには盾になり、ときには足になり、翼になり。
まさに愚者を守る〈守護竜〉ともいえる存在だ。
もちろんギリウスは攻める時にも相当な戦力になるだろう。
しかし、これまでの姿を見るかぎり、ギリウス自身はまず周りの面々を守ることを考えて動いているようにも思えた。
プルミエールのひねくれた庇護心に似ているが、ギリウスの場合はそれが直線的だ。
生態系の頂点種とも謳われる竜族にとっては、他の異族は押しなべて庇護する存在と捉えられるのだろうか。
それともギリウスがそういう性格の持ち主であるからだろうか。
サレはいくつか答えを予想しながら、ギリウスの声を待った。
◆◆◆
「そうであるなあ……」
当のギリウスは、サレの言葉を受けて一度重厚な竜尾を揺らし、鋭い爪の生えた手で顎先をさすりながら、思案気につぶやいていた。
しかし、数秒経ったところでふと柔和な笑みを浮かべると、
「――うむ、皆が良いというのなら、その言葉に甘えておこうと思うのであるよ」
快活な声で言った。
ギリウスの内心はその答えまでにいくつかの逡巡を経ていた。
――働きに応じた報酬を形あるものとしてもらっておけば、いずれほかの者が確かな働きをしたときに、自分と同じように報酬を貰えるようになるであろう。
そういう考えが一つ。
この単純なシステムは仲間たちのちょっとした士気向上に繋がる。
その第一歩の示しとして、自分がここで皆からの贈り物を受け取るのはむしろよいことだとも考えた。
逆に、ここでそれを跳ね除けてしまえば仲間たちは傷つくかもしれない。
せっかくの贈り物を遠慮で断られては手の出しようもないというものだ。
――必ずしも遠慮や謙虚が良い結果をもたらすとは限らないのであるな。
となれば、
――ここは喜んで受け取るのが筋というものであるかな。
再度確認するように頭の中で言葉を浮かべ、そしてすぐに笑った。
――心地よいものであるな。――仲間というのは。
久しく感じていなかった、もしくはあたり前すぎて認識していなかっただけかもしれない感情をギリウスは得る。
この感情を持ち続けることができればいいと思う傍ら、ほかの者が抱く同じ感情を、自分がこれから先守っていければいいと、そんな思いも得ていた。
◆◆◆
「皆さん自室の位置をご確認中ですが、今のうちにこれから一週間の予定を口頭で説明しておこうと思います」
〈凱旋する愚者〉の面々がそれぞれの部屋の位置を確認する会話に華を咲かせていると、ふとアリスがいつもより大きな声で言葉を発した。
「――今日一日で一週間分の宿代や諸々を毟――稼ぐことができたのは皆さんの頑張りによるところですが、これから毎回そううまくいくとは限りません。――なので、当分は資金調達と情報収集、それらの貯蓄に、そして交戦班の方々には物理的抵抗力の強化などをお願いすることになりそうです」
まずは、
「最初の一週間はこのテフラ王国の下方王都――〈湖都ナイアス〉に慣れるという名目も加え、それぞれに分散した行動をお願いするところとなります」
皆が一度顔を合わせ、しかし、すぐに力強くうなずく。
「役割に関しては今日の行動や私の判断を基準として分担いたしますが、もちろん希望を言ってくだされば通すこともできます。今日から明日にかけて、皆さんの部屋を訪れながらご相談、という手法をとりますので、私が行くまでに身の振り方を考えておいてください。――以上です」
そういってアリスはそそくさと踵を返し、爛漫亭の建物の中へと一番に入っていった。
よく見ると、彼女の足元は若干フラついていて、
「――強がりね、あの子。歩く行動一つとっても常人の何倍も疲れるんだもの。そりゃあ、ああもなるわね。今日は私が部屋まで送っていくから、マリアはイリアの部屋で過ごすといいわ」
「そうね。――お願いね、プルミ」
「はいはい、分かってるわよ」
マリアとの会話を得意げな笑みで切りあげると、プルミエールが白の六枚翼を大きく羽ばたかせ、アリスのあとを追って爛漫亭の入口をくぐっていった。
◆◆◆
「それじゃ、また明日」
「うむ、よく休むのであるぞ、サレ」
アリスとプルミエールが爛漫亭の三階へと消えていったあと、サレたちも順繰りに列をなしてそれぞれの部屋へと入室していった。
サレとギリウスの部屋は同じ三階で近かったが、間にアリスの部屋をはさんでいたので、階段を昇りきったあたりで軽く挨拶を済ませる。
その後お互いに踵を返して、それぞれの部屋へと入っていった。
◆◆◆
部屋の中へ入ると、まっさきに歓楽区の煌びやかな光がちらつくガラス窓が目に入った。
窓の手前にはぴしりと白シーツが整えられたベッドがあって、その枕元には暖色の炎が灯された燭台が置いてある。
ベッドの反対側、部屋の対角には簡素な木製のテーブルと椅子もひとつずつおいてあり、枕元の燭台の光に照らされてどことなくノスタルジックな雰囲気を醸していた。
――なかなかにくつろげそうな部屋だ。
サレはひとまず満足し、羽織っていた黒のマントを外して椅子の背に立てかけた。
そのあとでベッドに腰を下ろし、大きな息をつく。
「……ふう」
――よく動いた一日だった。
入国、入都から瞬く間に時間が過ぎ去っていった。
――明日からも忙しそうだけど。
部屋にくる前に爛漫亭の一階食堂でもらってきた香ばしい香りのするパンをかじりながら、そんな思いを得る。
――まだ始まったばかりだ。
スタートはまずまず順調と言ってもいいだろうか。
個人的な不備があった点も認めるが、そこはひとまずおいておこう。
与えられた役職を考えれば、特段に気にしすぎる必要はないと思う。
自分に求められているのは多角的な判断を提示することと、いざというときに凱旋する愚者の最大戦力になることだ。
「まあ、ギリウスもいるけど」
おそらく完全な竜体に化身したギリウスは最低でも魔人族と同程度の戦力は有するだろう。
単純な肉体能力は魔人族を上回るし、魔人族にない飛翔能力もあり、竜圧、竜砲などの強力な固有術式も持っている。
だが、そんなギリウスの持つ弱点は、竜体に化身した場合にこういった人ごみの中で自由に動けないことだ。
広々とした戦場ならまだしも、細い路地や地下へ逃げられる可能性のある市街では、ギリウスの大きな手が届かない場合もある。
――なにより、ギリウスはあまり攻撃的な性格じゃないからなぁ。
あの、はたからみれば恐ろしげな竜の顔に、ギャップだらけの『のほほん』とした笑顔を浮かべている姿が脳裏をよぎる。
もろもろを考えると、やはり単独において遊撃を行う役割は自分にふさわしいのかもしれない。
「――うん」
ギリウスを『盾』とするならば、おそらく自分は『剣』だ。
誰よりも先に外敵に斬りかかる剣。
そうして、外敵を遠ざけるための剣。
――。
「まあ、いろいろと考えることはあるけど」とサレは口に言葉を浮かべ、一旦思考を切った。
そのあたりでサレは少しの眠気を感じて、適当に服を脱ぎ散らかしたあとにベッドに倒れこんだ。
「ふー……今日は疲れたから――また明日考えよっかぁ」
とりあえず、今は休息を。
そんな思いを胸に、サレはすぐに目を閉じて眠りについた。
―――
――
―