表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/57

また、会えると信じて





「・・・行っちまったな」


 そう独り言ちるスキンヘッド。


「ぐすっ、どうしてお兄ちゃん。これから皆で一緒に暮らせると思ったのに・・・」

 

 鼻をすするソアラ。その肩を抱くゲラルト。


「ソアラ。彼にも、彼なりの考えがあるんだろう。せめて、一言でもお礼を言わせてほしかったが・・・」


 人生経験豊富で、苦労も皆より多く重ねてきたゲラルトは、彼がどうして行ってしまったのか、分かるような気がした。


「だがな・・・それは勘違いってもんだ」


 どうも彼は早とちりや勘違いをすることが多い。ゲラルトは長いようで短かった、彼との暮らしを思い返していた。


 ロリ貴族ことリリーネは、黙って出て行かれたことで鼻息荒く怒っていたが、だんだんと落ち着き、疑問を口にした。


「でも、アイツなんで満面の笑みで手なんか振ってたんだろ。なんか泣いてたし」


 スキンヘッドは、タバコに火を付け、煙をフゥーと吐き出して言った。


「泣くほど嬉しかったんだろうよ。お前らが来てくれてな。だから、アイツにしてみたらアンタらからのお礼は、もう十分受け取ったさ」


 シャーロットは、先ほど再会した最愛の両親と共に、馬車の消えていった地平線を――いつまでもいつまでも見つめていた。


 やがて、小さな決意を込めて、ひと言。


「これで終わりじゃない。きっと、きっと、また、会えるわ!」


 そう言って、笑った。




 それは、まるで太陽のような。




 

 満開の、笑顔だった―――。















挿絵(By みてみん)























最後に笑ってくれたシャーロットのように、

あなたの心にも、ほんのひととき、幸せが灯りますように。



この物語の最初の一文を書いたのは、もう数年前のことです。

途中で執筆を止めた理由は、正直いろいろありすぎて語りきれません。

現実では本当にいろんなことがあって、創作に向き合えない日々も長く続きました。


それでも、また物語と向き合おうと思えたのは、

この世界の登場人物たちが、どこかでまだ生きているような気がしていたからです。


そして今日、ついに完結しました。

こうして“終わり”を迎えられたことが、ただただ感無量です。


もしここまで読んでくださった方がいるのなら――

本当に、本当に、ありがとうございます。








……これで、この物語はいったん終わりです。たぶん。

でも……「また会える気がする」って、シャーロットも言ってましたしね。笑


設定は明かしていませんが、これは、読者様一人一人の物語です。

もしまた彼らに会いたくなったら、星マークの評価を、残していってください。

それが、次の旅のはじまりになるかもしれません。


最後に――誰かに読まれた瞬間、物語はほんとうに“あったこと”になる。

そう信じて書いてきました。

読んでくれて、ありがとうございました。


※また、会える日が来るかも知れません。ブックマークはそのままで!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
完結お疲れ様です!!! まとまった時間が取れず、ようやく最後まで読み終えました!! 最後の後書き……これは続編を期待していいんでしょうか? また会う日までお待ちしております!!!
面白かったです。 酔っ払いで、女にも弱く内省的な主人公が、自分の中にある正義感だけで、お世話になった娘のために戦うところが、人間くさくて良かったと思います。続きも楽しみにしています!
読了しました!本当に、本当に面白かったです! 物語を読み進める中で、心を掴まれたのは、いかにもライトノベルらしい、そのアホっぽくも勢いのある主人公。 彼の破天荒な言動や行動は、まさに泥酔カーニバルの…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ