表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

ショートショート11月~3回目

はったり

作者: たかさば
掲載日:2022/11/29

 

 はったりかまして、はや十年。

 俺はこの口先一つで生きてきた。


 小さなことを大きく。

 些細なことを大げさに。

 つまらないことを仰々しく。

 バカバカしいことを声高高に。


 小さい奴らが、俺を讃えた。

 臆病者どもが、俺に怯えた。

 性根の腐った軟弱者らが、俺を持ち上げた。

 知能の低い未熟者達が、俺に媚びた。


 はったりかまして……はや百年。

 俺はこの口先一つで、生きてきたのだ。


 小さなことを大きく取り上げ。

 些細なことを大げさに伝え。

 つまらないことを仰々しく語り。

 バカバカしいことを声高々に吠え。


 小さい奴らの、俺を讃える声がうるさい。

 臆病者どもの、俺に怯える声がうるさい。

 性根の腐った軟弱者らの、俺を持ち上げる声がうるさい。

 知能の低い未熟者達の、俺に媚びる声がうるさい。


 はったりかまして……もうなん年だ?

 俺はこの口先一つで、生きて、きた。


 小さなことを大きく取り上げたのは、何時のことだろう。

 些細なことを大げさに伝えたのは、何時のことだろう。

 つまらないことを仰々しく語ったのは、何時のことだろう。

 バカバカしいことを声高高に吠えたのは、何時のことだろう。


 小さい奴らの、俺を讃える声は聞こえる。

 臆病者どもの、俺に怯える声が聞こえない。

 性根の腐った軟弱者らの、俺を持ち上げる声が聞こえる。

 知能の低い未熟者達の、俺に媚びる声は聞こえない。


「このくちばしは、実に素晴らしい」

「空の覇者も、老いてしまえばただの素材ですなあ」 

「これさえ飲めば、万年の天賦の知恵が身につくのだぞ!」

「羽ももう毟れないな、爪も再生しないし…もう食う場所も無い」

「骨になれば使える」


 はったりをかましたくちばしは、とうの昔に奪われた。

 身を覆う羽も、飛び立つ翼も、肉を潰す爪も牙も、すべて奪われた。


 ……そして今、命さえも。


「ふぇっ、ふぇっ、ふぇっ!おまひら、わひのぱわーを、みふびっとるな…ひょひか、ひまから、にんげんろもに…やみの、のろひ……」


「なんかもごもご言ってら!!」

「うるせーなあ、まずは首から落とすか…」

「あ、血液採取準備するんでちょっと待ってくださーい!」

「先にしっぽカットしとくわ!!」

「おい!!抜け駆けはよせ!!」


 俺が、最後にかました…はったりは。


 小賢しい、生き物の騒音に……、紛れて、消えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あら? 妖怪、モンスターのネタオチですか……う〜む、元ネタになったモンスターが分からぬ〜(汗)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ