表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

☆勇者の試み

「あぶなかった!」


 魔王から放たれた風魔法ハリケーンーー竜巻攻撃に火が加わり、ミオは絶対絶命のピンチに陥ったはずだった。

 けれども最強の召喚勇者である彼女はバリアではなく、シールドを作りどうにか凌ぐ。

 仲間のことも考えたため、広範囲になったために炎の影響を受け、鎧で覆われていない部分が幾分火に当てられ、ヒリヒリと痛みが走った。


「勇者様、私たちに構わず魔王を倒してください」

「勇者様、この最強の魔法使い、シルダの名にかけて守りを固めますので」


 (っていうか、あんたが守るのは王女ソフィアと自分だけだろうが)


 ちらりと戦士タルカンを見ると、何やら首を横に振っている。


(本当、さっきもシールドを全開にしなきゃ、絶対タルカン死んでと思うし)


 異世界、もしかして某サイトで流行りのゲームの世界の中に転移してしまったかもしれないが、仲間として一緒に旅を続けているうちに情が沸いてきている。

 

(タルカンは守らないと。でも防御だけじゃどうにもならない。やっぱり攻撃?)


 ミオは、髑髏の仮面の魔王を睨む。


(絶対日本人だよね。しかも若いと思う。声からして、ちょっと子供っぽそうだし)


 魔王は何を考えているのか、最後の攻撃魔法から微動すらしない。


「勇者様、今です。今攻撃を仕掛ければ」


 背後のタルカンが叫ぶ。


(魔王って言っても、日本人だよね。殺すっていうはちょっと。話せば解決するかもしれないし。ほら、日本に一緒に戻るとか)


「勇者様!」

 

(うるさいなあ。とりあえず近くによって話してみるかな)


 ミオは攻撃を仕掛けるふりをして、剣を携えたまま、魔王に向かって駆け出した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ