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気さくな女子
授業中、上の空で教師の説明を聞いていた。
時々、クラスメートが当てられ、起立して答える。
そんな変わらない日常──を捉えながらも頭では、御影君のことしか思考出来ないでいた。
私のせいだ。私が傷付けたから──御影君は未だに教室に姿を見せずにいる。
隣の席のクラスメートに肩を叩かれる。
「どうしたの?調子でも悪いんかいな」
「うっ、ううん。何でもないです。考え事があって......」
「そうか。考えすぎんよう、気楽になぁ~筒海さん」
そんな風に小声で気遣ってくれた夏目原。
優しいな、彼女。
なんだかんだ、周りのクラスメートは優しい。
「ありがとう、ございます」
「構わんよ、気になってなぁ。気になったら集中できへんたちで、聞いただけやから」
気さくな女子だな、彼女は。
結局、放課後になっても御影君は来なかった。




