中庭での告白
中庭では声をかけてきた彼が待っていた。
「ごめんなさい。長いこと待たせたよね、どうしたら許して──」
「ごめん、俺こそいきなりで迷惑だったよね。こんなの......」
頭をさげ、謝る彼。
「頭を上げてください。迷惑じゃ、ないです。貴方に何かしましたか、私......」
「そう、じゃなくて......筒海さんの、ことが......好き、なんだ。前から」
「前から......?」
告白されたことにも驚いたが、“前から”というのに引っ掛かる。失礼な話なのだが、彼に見覚えがない。
きょとんとしていると、彼の声が低くなる。
「そうだよね......クラスが違うから覚えてる方がおかしいよね。でも、筒海さんに惹かれたんだ。部活の試合で強敵にもめげずに立ち向かっていくところに」
「観にきてくれてたの?あのときの試合」
「そうです。他にも好きなとこはいくらでも挙げられます。筒海さんの──」
「あ、ありがとう。でも、知らないの。貴方の名前。ごめんなさい、自己紹介のときに考え事──」
「......御影翼です。話しかけて、ごめんなさい。筒海さん」
歩き出す彼の腕を掴み、謝り続けた。
「傷つけてしまってごめんなさい、御影君。あのときは御影君の想いに気付けなくて......今も──」
「中学の頃に告白できなかった俺が、悪いんですから......」
そう言い残し、彼は去っていく。
傷つけてしまった、彼を。
追いかけたところで、話なんて聞いてくれない。明日、どうすればいいのかな。




