幼馴染の会話
午後の授業、説明は終わり、帰りのSHRに突入した。
挨拶を終え、永倉先生が私を呼ぶ。
「筒海、少しいいか?」
周りのクラスメートは、帰り支度や友達との会話で気にもとめない。安堵したのも束の間、腕を掴まれた。
「筒海さん、後で話があるから中庭にきてほしい」
近くの席の男子だった。
「う、うん」
彼は、腕を離し、教室から出ていく。
永倉先生と廊下を歩いていた。生徒達の姿が少なくなっていく。
昔のことが頭にあるせいで隣を歩くことができない。一歩後ろを歩く。
屋上の扉を開けて、屋上に出る永倉先生。
立ち止まる私をくるよう促す。
おそるおそる屋上に出る。
少し汗ばむ身体を風が通り抜け、涼しい。
「だめじゃないんですか、屋上にくるのは」
「......」
フェンスに手をかけ、目の前の景色を眺める永倉先生。
「あのときは悪かった......なっちゃん。どうかしてた、昔の俺は」
深く息を吐き出す永倉先生。
「バカだなぁ~俺。嫌いになったよな、俺のこと
」
「すっすす、きです。永倉先生の......こと」
「先生って言われるような人間じゃないよ。今は昔のように、って無理か。なっちゃん、秘密にしてほしいんだよ。昔のこと。なっちゃんにも迷惑かかると思うから、これ以上──」
「かーくんっ、昔みたいに──私じゃだめ......かな」
「溝を埋めることは難しい......だろう、な。戻るから鍵は明日でいいから。気を付けてな、似合ってるよ、その髪型」
扉が閉まり、その場に立ち尽くす。
かーくんに褒められた。




