高校での初めての友達
入学式の翌日。
8時前の教室に入ると、挨拶をされた。
「おはよう。筒海......さん、だよね?」
「う、うん。筒海です、おは......よう」
「びくびくしないでよ、筒海さん。永倉先生と知り合いかな~なんて。名前、忘れたの?」
「ええっと......」
彼女の名前は確かに自己紹介のときに聞いた。しかし、幼馴染が教師で、さらに担任とわかり動揺で周りのことに気がまわらなかった。
幼馴染と彼女に言えば、間違いなく激しい追及にあう。それに永倉先生──かーくんにも追及が及ぶ。もしそうなれば、昔のような関係には二度と戻らない。
「前峰真奈美だよ。よろしくね、なっちゃん」
差し出された手を握り、握手を交わす。
「よろしく、お願い......します。さき、みね......さん」
距離の縮め方に驚きながら、言葉を返す。
「もうっ~、私がなっちゃんって呼んでんのに堅苦しいよ。真奈美とかまなちゃん、まなっちゃんとかにしてよ」
「じゃ、じゃあ、まなちゃん......」
「な~に、なっちゃん!」
満面の笑みの彼女は、頬をつついてくる。
「ええっと──」
私は、ぎこちなくではあるが彼女と会話を続ける。
チャイムが鳴り、教室に担任が入ってきて、教卓に名簿を置いて、挨拶をした。
「おはよう。今日から──」
昔と変わらない声の永倉先生。静かな教室に永倉先生の声だけが響く。
私は、初めて話したクラスメートに見られてるとも知らず──。




