転生
坂倉 健児 28歳 180cm 76kg 男
メローチェ ??歳 192cm ??kg 女
「目覚めるのです。選ばれし勇者様。」
そんな言葉がどこからともなく聞こえる。
目を開けると視界に金髪に白いローブを来た女性が入る。
「勇者様、ようやくお目覚めになられましたね。」
女性はゆっくりとこちらへ歩いてくる。
ここは一体...。
ここに来るまでの記憶がない。
覚えていることは自分が誰であったか。
「おそらく今は動くことも喋ることもできないでしょう。ですが安心してください。転生場所が見つかりましたら肉体に入れますから。」
肉体に入れる?
「今はまだ混乱していると思いますが、要点だけざっくりと説明いたします。」
女性は軽くお辞儀をして自己紹介をした。
「私の名前はメローチェ。オーガルトの女神でございます。」
女神?オーガルト?
「オーガルトは今、魔界軍により滅びを迎える寸前でございます。そこで、あなた様に世界の危機を救ってほしいのです。」
この女は一体何を言っているんだ。
「詳しい話は転生してからお話しします。」
メローチェは手を前に出し、白い光を出した。
「転生地点が見つかりましたのでそこへ転生いたします。」
まぶしい光に目をつむった。
目を開けると目の前に大きな大樹があり、まるで神殿の中のような場所にいた。
「ここは一体。」
自分の手を見ると見たこのない黒い手袋付けていた。
「何だこれは。」
服装などを見ると黒いズボン、黒いスーツを羽織っており、中には黒いブレザーを着ており、白いワイシャツを着ていた。
腰には二つの銃がついていた。
さらに目元に慣れない冷たい感覚がした。
「これは、仮面か?なぜこんなものを付けているんだ。」
外そうとしたところで、先ほど見たメローチェと名乗った女性が大樹から現れた。
「無事に転生できたみたいですね。」
「お前が私をこんな格好にしたのか。」
「開口一番に言う言葉それとは驚きです。」
「答えろ。」
腰につけていた銃を構えた。
「私に打とうとしてもそれはできませんよ。」
「なぜだ。」
「今あなたの目の前にある私は実態がないですので。」
「どういうことだ。」
銃を下ろし、思い切りにらんだ。
「まず順を追って説明いたします。」
「...。」
銃を腰に戻し、腕を組んだ。
「まず、ご自身の名前は憶えておりますか。」
「当たり前だ。坂倉健児だ。」
メローチェは安心したようにうなずき、つづけた。
「次にあなたはここに来る前の記憶がありますか?」
「ここに来る前?」
坂倉は思い出そうとするが何も思い出せない。
「なにも思い出せない...。」
「やはりそうでしたか。では説明いたします。」
メローチェは一度目を閉じた後ゆっくり開き坂倉を見た。
「あなたは元の世界で死んでしまいました。」
「...。」
坂倉は黙って聞いた。
メローチェ不思議そうに坂倉を見た。
「驚かない、のですか?」
「驚いてはいるが、不思議なことではない。そういう組織に所属していたのだからな。」
坂倉はそう言った後、すぐに自身の疑問を聞いた。
「私はどのようにして死んだんだ?」
「ずいぶん冷静なのですね。まあそれはいいとして、あなたが死んだ理由は核兵器による爆発です。」
坂倉は思い出してみた。
そしてその時の光景がよみがえってきた。
次回はなぜ坂倉が異世界に転生してしまったかについて書きます。