表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/116

そのころフローラは

 『聖断!!!』


強大な魔力の衝撃波がルティア要塞の城門を吹き飛ばす!


聖王国軍を中心とした神聖同盟が帝国軍のルティア要塞の攻略を開始して10日。帝国に対抗するあまたの敵を防いできたルティア要塞はその最後を迎えようとしていた。


  「皆の者!後れるな!一気に攻め落とすぞ!」


  青の聖騎士クレディはその身分の高さにも関わらず聖王国軍の先頭に立って帝国の要塞に攻め込んでいく。


  「やれやれ、張り切ってますねえ」


 先ほどクレディと協力して聖断を放った緑の聖騎士ポッパーはがむしゃらに攻め込んでいく青の聖騎士の様子を「やるねえ」と眺めながらその場にとどまっている。


 特に作戦上の理由があるわけではなく、ただ単にさぼっているだけだったが、


 「お前もボケっとしてないで早くいかんか。まだ勝ったわけではないぞ」


 「はいはい、わかりましたよ、将軍」


 同じく共同で聖断を使った赤の聖騎士ゴドフロアににらまれてポッパーは肩をすくめて、


 「ポッパー隊、行くぞ。この要塞を落とすのは俺たちだ」


本当はそれほどやる気がないくせに、威勢だけはいいセリフを言って部下を引き連れて要塞内部へ進んでいく。やるからには効果的な方法をとるのがポッパーらしい。


 自らが先頭をきってがむしゃらに進んでいくクレディとは違い、ポッパーはあくまで慎重に侵攻していく。


 タイプの違う二人だが、聖騎士としての能力は高く、それぞれ指揮能力にも優れていた。


 聖騎士の中でも単騎での戦闘を得意とする(というか目立ちたいがゆえに単独になりがちな)白の聖騎士レオナルドや聖剣の性質上、単独作戦を任させる黒の聖騎士ラインハルト違い、青の聖騎士クレディや緑の聖騎士ポッパーは兵を率いる能力も長けている。


 強固な城門が破られた今、聖騎士二人に攻め込まれているルティア要塞の陥落は時間の問題だった。



                              *



 「間に合いませんでしたね」


 フローラは敵に攻め込まれていくルティア要塞を遠目に見ながらため息をつく。ルティア要塞の援軍として第八軍団を率いてきたフローラだったが、途中に神聖同盟の別動隊に足止めされたこともあり予定よりも遅れていたのだ。


 「まだ、ルティア要塞はおちてはいませんが・・・・」

 

 副長が遠慮がちに声をかけるが、フローラは首を振る。


 「あいては赤の聖騎士ゴドフロア将軍です。城門を破れば確実に陥落させるでしょう。その他にも聖騎士が数人いるという情報も入っています」


 「では、撤退しますか?」


 「落ち逃れてくる兵をここで迎え入れます。おそらくゴドフロア将軍は殲滅戦はしないでしょうからかなりの数の兵が脱出できるはずです」


 フローラは自分の今できる最良の事をしようと決意するが、


 (今回の事は私の失態として扱われるでしょうね。第八軍団の皆には申し訳ないことなったわ。最悪、将軍位を剥奪されるかも・・・。レオナルド様が私の軍団から外れていたのは幸いでしたね。といっても、レオナルド様もラインベイス攻略という無理難題を押し付けられているから幸いでもないですか・・・)


 まさかラインベイス攻略をレオナルドが成し遂げているとは知らないフローラは深いため息をつくのだった。

自由都市編は次回で終わりです。主人公いないとすごい書きにくい・・・。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ