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白の聖騎士、感謝する。

レオナルドが帝国の遊撃隊長だと正体を明かした事にマルチェッラは一瞬反応できなかった。


 (帝国遊撃隊、白の聖騎士・・・どういうことなの?)


 帝国と敵対しているラインベイスの軍の元締めともいえる家にその帝国でラインベイス攻略を命じられている部隊の隊長がたった3人で乗り込んできているという事態に常識的な考え方をするマルチェッラの思考が追い付かないのだ。大胆不敵にもほどがあるというものだ。


 そして、一同の中で思考が停止している人物がもう一人。誰あろう、精神的にドヤ顔で名乗った白の聖騎士レオナルドである。


 (ついつい勢いで名乗ってしまったが、本当にここで正体を明かしてよかったのかな?『白の聖騎士の作戦』上問題ないよな?)


 『白の聖騎士の作戦』が(本人のくせに)いまだにわかっていないレオナルドは後ろに控えている秦の作戦立案者であるタイユフールの顔色を伺いたいと思うが、そこをぐっとこらえて素知らぬ顔をしている。


 お互いのトップが思考停止をしているという困った状態になっている中でマルチェッラの代わりにキンナが増援を呼ぼうとゆっくりとドアの方へ移動しようとするが、


 「まあ待ってくださいよ。私たちは別に戦いに来たわけではないのです。騒ぎにするのは困りますよ」


 とタイユフールに目ざとく釘を刺されてしまう。


 (強行突破した方がよいでしょうか?しかし、下手に動くのも危険な状態かもしれません)


 その強さは疑いようもない白の聖騎士と、実力はわからないがそのお付きの二人。そして白騎士と知り合いであったシンゴの動向もハッキリしない。まさか裏切ったりしないだろうが、白の聖騎士と本気で戦わない可能性はある。


 自らの行動を決めかねてキンナはシンゴに助けを求めるような視線を送る。


 (僕も意外と信用がないようです)


 シンゴは疑われていることにため息をつきながら


 「ここでは戦わない方が得策です。もし、どうしてもとおっしゃるなら僕は信義上マルチェッラ様のお味方を全力でします。ただし、僕一人ではレオナルドさんの相手で精一杯ですし、お連れの二人もかなり強いです。特に大柄の方は僕でも勝てるかどうかわからないレベルですね。」


 シンゴがはっきりと味方をすると言ってくれたことは心強かったが、白騎士のお付きがそこまで強いのは誤算だった。


 執事といってもマルチェッラの護衛も兼ねているキンナは決して弱い方ではないが、シンゴが「かなり強い」とまで言う者を相手に戦えるほどではない。

 

 「キンナ、落ち着きなさい。どうあがいても無駄な怪我をするだけだわ。結果は変わらないでしょう。それで帝国の軍人がここに何しに来たのかしら。ラインベイス攻略のため私を殺しに来たのかしら」


 どうせ勝てないと思ったらマルチェッラは落ち着いてきていた。この辺はさすがにこの若さでラインベイスで軍事を任されているだけはあった。

 

だが、全く落ち着いていない人物が一人。


 白の聖騎士レオナルド、その人である。もっとも、落ち着いていないと言ってもいつものように全く外面には出していないが。


 (ヤバい。目的を聞かれるとは・・・。いまだにわかってないんだよな『作戦』。はっ、待てよ?そうか!あのセリフならイケるかも!)


 レオナルドが追い詰められたときに頼るのはやはり『セリフ』だ。


 「我々、帝国の軍人がここに来る目的と言えば一つしかないだろう?」


 (決まった・・・。かんっぺきに決まった。このちょっとした『イイ感じのセリフ』を言いながら、しかも相手にこちらの出方を言わせるというまさに一石二鳥のセリフだぜ!)


 日々『イイ感じのセリフ』を研究していた自分に感謝するレオナルドだった。



ラインベイス編、自分でも面白いのかよくわからなくなってきました・・・。

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