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聖騎士たちはいろいろ考えている

結局、赤の聖騎士ゴドフロア将軍は白の聖騎士レオナルドがまだ生きている可能性も捨てきれず、白の聖剣の回収も考えて少数の偵察隊を出すことに決めた。


 偵察隊のメンバーには「ぜひに」と志願した青の聖騎士クレディに緑の聖騎士ポッパーと聖騎士二人も加わっている。


 「その偵察隊、私も同行させてください!」

 必死の形相でそう申し出たのは白の聖騎士の従騎士ジャンだ。

 レオナルドがいたら

 (ジャン、またそんな『イイ感じのセリフ』を言うとは・・・。さすがは俺の従騎士だな!)と思うところだろうが、ここにいるのは・・・。


 「ならん!貴様のような未熟者をつれていけるわけがなかろう!」

 稲妻のような怒鳴り声でぴしゃりと否定する赤の聖騎士ゴドフロア将軍だ。


 「父上!お願いでございまず!なにとぞお許しください!」

 ジャンは思わずゴドフロアの事を父上と呼んでしまう。

 これにはゴドフロアも苦い顔をする。

 ジャンはゴドフロアの三男だ。自分の手元に置いていては甘やかすことになると白の聖騎士レオナルドに頼んでその従騎士にしてもらっていたのだが、ここで自分の事を父上と呼ぶとはまだ甘えが抜けていないらしい。

 (ここはガツンと叱っておくか・・・)そう思ったが、


「まあまあ、私がジャン殿が無茶をしないように見ておきましょう」


そう割って入ってきたのは緑の聖騎士ホッパーだ。


「貴公が見てくれるなら安心だが・・・」


 ゴドフロアは『機知奇策』を条件としている緑の聖剣をもつポッパーを信頼している。

 本来偵察隊を出すことにも消極的だったが、ポッパーが「無理はしません。偵察隊は必ず無傷で帰します」とまで言ったので偵察隊を出すことにしたのだ。


(こやつの知恵はわしでも思いもよらぬものだからな・・・)

 ゴドフロアは青の聖騎士クレディの愚直さや白の聖騎士レオナルドの高潔さ(ゴドフロアにはそう見えている)が好きだったが、その才能を最も認めている聖騎士は緑の聖騎士ポッパーだった。


 「ポッパー。もう一人お守りがいるのを忘れるなよ」


 青の聖騎士クレディを見ながらそう皮肉を言っているのは黒の聖騎士ラインハルトだ。

 ラインハルトは偵察隊に加わっていない。ゴドフロアに指名されなかったこともあるが、もともと平民出身のレオナルドの事があまり好きではないので、どうなってもよいと思っているのだ。


 そんなラインハルトを無視してクレディは姫騎士シエナと


 「きっとレオナルドは無事です。そう簡単にやられる男ではありません。何しろ俺のライバルですからね」


 「そうですね。レオナルドが負ける姿は想像できません。あの方はいつでも、どんな状況でも、切り抜けてきたのです。本来なら私も行きたいところですが・・・」


 「姫様、ここは俺に任せてください」


 「ええ、信頼しています。あなたもレオナルドも」


 レオナルドがいたら(またあの二人は『イイ感じのセリフ』を言ってるよ!)と思われそうな会話をしていた。

 

 やがて偵察隊の準備が整う。聖騎士二人に加えて三十名の騎士、そして従騎士ジャンが加えられている。


 「よいか、くれぐれも気を付けて行ってくるのだぞ?」


 ゴドフロアの言葉を背に偵察隊はレオナルドのいる戦場へ向かうのだった。

次話から白の聖騎士サイドにもどります

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