白の聖騎士、大隊長になる。
レオナルドはアリアスにとの一騎打ちから三日後に第八軍団の将軍フローラに呼び出されていた。
「レオナルド様を大隊長に任命することになりました」
「ずいぶん早い出世ですね」
レオナルドの言葉にフローラはため息をついて、
「レオナルド様ならそうおっしゃると思いました。実はこの昇進はガラハド皇子の肝いりなんです。ガラハド皇子直々に今回の反抗部族を下した功によりレオナルド様を大隊長にせよとの仰せがあったのです」
この昇進が自身の発案ではなくガラハドのものであることを説明する。
「それからレオナルド様を大隊長にしたうえでこの砦の守備隊長に任命して、私には別の任務が与えられることになりました」
「つまり、私は第八軍団とは別行動になるのですか?」
「そうです。と言っても一時的なもので私の任務はそう長いものにはならないと思います。すぐに戻ってきますよ。いくらは反抗部族が降伏したとはいえこの規模の砦をレオナルド様の隊だけで守るのは大変でしょうからね」
「確かにそれは難題ですね。私の隊は700人しかいませんからね」
「それと今回降伏した部族はレオナルド様の配下にしますのでその300を足して1000人ですね。それでも普通の中隊の数ですから本来なら大隊長の率いる人数には足りないのですが」
フローラは申し訳なさそうに言っている。
「なあに、1000名といっても一騎当千の部族が300もいて、私と互角のアリアスもいます。この戦力で存分に戦って見せますよ」
レオナルドは相変わらずカッコつけた事を言ってフローラを励ましているが
(まあ、どうせ敵ももういないしな!心配することないだろう!敵がいなければこっちの戦力不足を心配する必要もないし、いいように言っておこう!)
こんな事を考えていた。
フローラが任務のために旅立ってから三日後、別の反抗部族がこの砦を狙っているという情報を得るまでは・・・。