平和な世界
会話は続いていた。
今度はクロエが僕に尋ねてきた。
「多和田さん、私も一つ伺いたいんですが?」
僕はクロエに聞き返した。
「何を聞きたいの?」
クロエが僕に言った。
「私とローラが怪しいといつ頃から気づいていたんですか?ティアが怪しいから私達も怪しいと思われたんですか?」
僕はクロエに答えた。
「いやこの村を君に案内してもらった時から違和感があったんだよ。この村にはある施設が無かったんだ。」
クロエが僕に聞き返す。
「ある施設ですか?」
僕はクロエに答えた。
「この村には墓地が無いんだよ、たくさん死んだ人がいるはずなのに。大森林の教会にあるかもとも思ったんだけど。」
クロエは僕に答えた。
「なるほどそれでガウスの依頼を受けて大森林の教会まで墓地があるか確認に行かれたんですね。」
僕はクロエに尋ねた。
「ねえ、このヤード村って実在するのかい?」
クロエが僕に答える。
「いえ、ヤード村は実在しません。ここはヤード基地で騎士団が管理しています。勇者が来た時だけ、ヤード村としてふるまいます。」
僕は改めてクロエに尋ねた。
「それでどうして勇者を殺そうとするの?そんな事をしたら魔王を倒せなくなる。君達は魔王の手下なのか?」
クロエが僕に答えた。
「違います。私達はれっきとした人間で、アグリル騎士団の一員です。魔王の手下ではありません。」
僕はクロエに言った。
「それならどうして?」
クロエは僕に答えた。
「多和田さん、そもそも前提が間違っているんです。
あなたが言っている魔王グニールはとっくの昔に倒されています。魔物達ともほぼ完全に住み分けができて、こちらから襲わない限り襲ってきません。」
ええ?すでに魔王が倒されている?そんな事あっていいのか?
そうすると、僕は一つ疑問がわいたのでクロエに聞いてみた。
「待って?それだとなんでデリール大森林の魔物達は、僕達を襲ってきたの?」
クロエは僕に答えた。
「あれは私が魔法を使って大森林の魔物達を暴走させたんです。森林の全ての魔物を、暴走させるのは私でも無理ですが。」
そうか確かに大森林の教会に、向かった時クロエも一緒にいた。
僕はクロエに言った。
「話を折ってしまってごめん、続きをお願い。」
するとクロエは僕に話を続けた。
「世界は魔王が倒され魔物達とは住み分けをする事で平和と安定が訪れると思われました。ですがそうはなりませんでした。」




