引率
まあ確かに何でも言ってくださいとは言いましたよ。
前からクロエの声が聞こえてくる。
「多和田さん、こちらです。」
僕はクロエの方に歩いていった。
そしてクロエに尋ねた。
「クロエは村の南東側にはあまり来ないの?」
クロエが僕に答えてくれた。
「そうですね、ギレート山脈はよく行きますが、ジール渓谷の方はほとんど行く事はありませんね。」
すると前からローラがクロエに話しかけてきた。
「ねえクロエも早く来なよ凄くいい眺めだよ。」
ティアが続けてクロエに言った。
「確かにいい眺めだよ、わざわざ来たかいがあったよ。」
僕はティアとローラに言った。
「ティア、ローラ、景色を眺めるのはいいけど、この辺りの道は道幅が狭くなってるから、必ず足元を見ながら移動してよ。そうしないと谷底に落ちちゃうから。」
ローラが僕に言った。
「大丈夫だよ、私達はヤード村の人間なんだし、多和田さんも心配性だね。」
ガウス村長から三人を村の南東側からドール渓谷を見せてやって欲しいと頼まれた。
それで引率としてついてきた訳だ。それにしても年頃の女の子達を素性の分からない旅人に預けるかね?
普通?
まあそれだけ信用されていると考える事にしよう。
僕は三人に言った。
「よし、じゃあここら辺で休憩にしよう。」
クロエ、ローラ、ティアの三人が座って水筒の水を飲みながら、楽しそうに談笑していた。
そうこうしている間に時間は過ぎて、太陽が真上に上ろうとしていた。
僕は三人に話しかけた。
「さてとジール渓谷の景観は楽しめたかい?」
三人とも楽しかったと言ってくれた。
僕は三人に言った。
「それじゃあそろそろ帰ろうか。」
僕達はヤード村へ向けて歩きはじめた。




