応急処置
僕はようやく猛烈な雨から解放された。
通された家の中はさほど広くなかった。
部屋の奥に暖炉があり、大きなな部屋が一つだけあり、ベッドがいくつか置かれていた。
住まいというよりは山小屋という感じだった。
しかも男性の言った通り窓ガラスは割れて粉々だった。
窓からは容赦なく雨が降りこんでいた。
家の床は泥まみれで掃除が必要に思われた。
こんな状況で扉を開けてくれた男性には感謝しなくてはいけない。
そんな事を思っていると、中年の男性が声をかけてきた。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はスコットと申します。この近くのヤード村に住んでおります。まあ近くと言っても丸一日は歩く距離ですが。」
僕は挨拶を忘れており、慌てて答えた。
「僕は多和田と申します。雨宿りさせて頂いてありがとうございます。」
すると中年の男性が僕に言った。
「いえ困った時はお互い様ですよ。とは言えこんな格好で申し訳無いです。」
スコットさんは申し訳なさそうだった。
スコットさんは色あせたチュニックと皮ズボンと革靴を着ていたが、チュニックはずぶ濡れ皮ズボンと革靴に至っては、泥まみれで確かに悲惨な格好だった。
僕はスコットさんに言った。
「いえ、雨宿りさせて頂いてるだけで、ありがたいです。それであれはどうしますか?」
あれとは当然ながら、割れた窓ガラスだ。
今も雨が降り込んできている。
スコットさんが僕に言った。
「とりあえず塞いでおくしかないでしょう。申し訳ありませが、少し手伝って貰えますか?」
僕はスコットさんに言った。
「ええ、もちろん。」
僕は快く引き受けた。
窓を羊の皮で塞いでゆき、何とか塞ぐ事ができた。
その後泥まみれの床の清掃を行ったが、かなり手間取り
時間がかかってしまった。
清掃を終えた頃にはもう深夜になっていた。




