目撃者
そういえば僕はクロエがこの場にいない事に気づいて、ローラに聞いてみた。
「ねえローラ、もしかしてクロエもまだ寝てるの?」
僕の質問にローラが答えた。
「うん多分まだ家で寝てると思うよ、クロエの家にも行ったけど呼んでも返事が無かったから。」
ローラの返答にガウス村長が割り込んできた。
「それはおかしい、クロエはローラお主に会いに行くと行ってわしより早く家から出ていったぞ。」
ローラとティアが顔が青ざめた。
それから他の村人にもクロエを見ていないか聞いたが、ほとんどの村人は見ていなかった。
ラウスさんが唯一クロエを目撃していた。
ラウスさんが話し始めた。
「朝早くに村の入口に向かって行ったから、他の皆と一緒で勇者様を見送ると思ってたんだ。こんなことならあの時声をかけとくんだった。」
僕はラウスさんに言った。
「そうするとクロエは一体どこに行ったんですか?」
ラウスさんが申し訳なさそうに僕に言った。
「さあ、すまないが俺には分からん。」
ローラが青い顔をしながら僕に話しかけてきた。
「クロエもしかしたらデリール大森林に行ったのかも。」
ティアも続けて僕に言った。
「あたしもたぶんデリール大森林に行ったと思う。」
僕はローラ達に尋ねた。
「なんでクロエはそんな危ない所に行くの?魔物が徘徊する所なんだろ?」
ローラが言いずらそうにしていると、隣のティアが僕に話し始めた。
「クロエはときどきデリール大森林に花を摘みに行くの。魔物よけのブレスレットをはめてね。」
そういえば昨日クロエと話した時に、最後に何か言おうとしてた。
もしかしたらデリール大森林に一緒に来て欲しいと頼みたかったんではないか?
あの時ちゃんと話を聞いてあげれば良かった。
するとガウス村長が怒りながら言った。
「あれほどデリール大森林に入ってはならんと言っておったのに、あの馬鹿娘は!」




