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無気力系戦乙女  作者: オリオン
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自分達の意地

「私は! お前達を斬り伏せてでも…仇を取るんだ!」


私に向って飛びかかってきた2人の剣を全て流す。

本当に一瞬だ、この一撃で私は全てを捨てる。

私を大事にしてくれていた親友も。

私に付き従ってくれていた可愛い後輩も。

私の事を見守ってくれた、もう1人の母親も。

その全てをこの一撃で捨てる、その覚悟は! もう、出来てるんだ!

だから、震えるな…躊躇うな…躊躇うな! 心を捨ててでも!


「あなたは…あなただけは救うわ!」

「く!」


2人を斬ろうと瞬間だった、私の死角からいくつかの矢が飛んできた。

2人への攻撃を停止し、私はすぐにその矢の迎撃に移る。

その結果、大きな隙が出来た2人を斬ることは出来なかった。


「…この矢は…フレイヤ様!?」

「私は神でありながら、あなたの家族を救うことも出来なかった。

 確かに神は無力でもある、救いたいと思っても救えない命は沢山あって

 神としての自覚が出たときに志した大きな目標さえ擦れたわ。

 でも、せめて…自分の手が届く範囲の人だけは救いたい。

 あなたをこれ以上、不幸な目には遭わせないわ!」

「邪魔を……邪魔をしないでくださいよ!」


フレイヤ様、私はあなたには感謝をしている、恩も感じている。

こんな私に付き添ってくれて、色々と相談も受けてくれた。

でも、邪魔をするなら…邪魔をするなぁ!


「フレイヤちゃん!」

「うわぁあ!」

「くぅ!」


く! 今度は誰だ!


「…スルズ!」

「あ、あなたに憧れてる後輩は、ニールだけじゃ無いんだからぁ!」

「震えるくらいなら私の邪魔をするな!」

「それをお前が言うのか!?」

「うぁ!」


…鋭い剣、今までの攻撃とは明らかに雰囲気も威力も違う。

この剣筋が誰かなんて、私はすぐに分かった。

今まで散々見てきたんだ、分からないはずが無い。


「師匠、なんで師匠まで私の邪魔をするんですか!」

「言ったはずだ、私の様にはなるなと。

 だがまぁ、いらない心配だったのは間違いないだろうな。

 例え道を踏み外しても、お前の道を助けてくれる奴らがこんなにいるんだから。

 かく言う私も、その1人だがな」

「……」


流石に分が悪い、スルズ、フレイヤ様、師匠、メアリー、ニール…

師匠を倒すのだって一苦労だったんだ、流石の私も

このメンバーと師匠を同時に相手をするのは不可能だ。


「この戦力差、お前に勝ち目は無いだろ。

 だから私は、これ以上の介入はしないでおこう」

「な!」

「私達の目的はお前を倒すことじゃない、お前を止めることだからな」

「……」

「えぇ、あなたは手を出さないで、この馬鹿は私が殴って止めるわ」

「私の馬鹿弟子、ちゃんと止めてくれよ?」

「はい! 私の師匠は、私が止めますとも!」

「……」


4対1、数字的には向こうが優勢なのは違いないだろう。

だが、実力的には…私の方が上だろう。

師匠が参加していれば、私に勝ち目は無かった。

このメンバーと師匠では勝ち目が無いのは間違いなかったからだ。

だが、師匠は手を引いた…何故引いたかは分からないが。


「人数的にはそちらに分がある、だが、連携も取れていないお前達が

 たった4人で、実力が圧倒的に違う私に挑むのか?

 師匠が参加すれば勝負は明白だろうに」

「あなたは私達で止めたいのよ、大事な親友位、自分で止めたいわ」

「いつも通り笑って先輩と一緒に過ごしたい、だから!」

「この毎日が大好きだったから! 私も一緒に守る!」

「もうこれ以上、あなたを不幸にはしないわ。

 これ以上の不幸を、指をくわえて見てられますかっての」

「……私はもう、その毎日はいらない…あの…楽しかった毎日は…もういらない…

 全てを…全部を捨ててでも! 私は2人の無念を果たす! 掛かってこい!

 もう、手加減はしない! 全部…全部斬り伏せる! 全て斬り捨てる!」


ニール達が一斉に私に向って走り出してきた。

剣を握りしめ、覚悟を決め…全てを捨てる。

この剣に…誓って!


「即席のチームワーク、それでも意思は同じよ、全員ね!」

「な!」


3人の攻撃が私に届く瞬間にフレイヤ様の矢が飛んでくる。

私はその矢を鎧に付いている小さな盾で弾き飛ばす。

そのまま剣を振るい、ニールとメアリーの剣を流し

スルズの剣を踏み付ける。


「4人同時の攻撃を、全部!」

「お前達では、私は倒せない!」

「まだまだ! アースブレイク!」

「ち」


地面に剣が埋もれていたスルズがそのままでアースブレイクを発動させる。

規模は小さいが、それでもそれなりの衝撃はあった。

私はその勢いに乗り、受け身を取って体勢を直す。


「はぁあ!」


だが、同時にニールとメアリーが飛びかかってきた。

体勢が崩れていた事もある、流すのは難しいだろう。

だが、受け止めることは出来る、この程度な


「く!」


剣を構え、2人の攻撃を受け止めようとした瞬間に矢が飛んできて

私の頬を擦った。


「はぁ!」

「ぐぅ!」


バランスが大きく崩れていたこともあり

2人の攻撃を受入れるのが遅れた。

バランスも大きく崩れ、その攻撃を万全な状態で受け止めることが出来ていない。

万全な状態で受け止めていれば、すぐにカウンターに繋げられたというのに。


「ブレイブストライク!」

「ぐ!」


この状態でこれを仕掛けてくるとは!

ただの一撃に追撃の一撃、衝撃は2度、完全に不意打ちだったから余計にバランスが。


「そこだぁあ!」


私がバランスを崩したところを突き、スルズがこちらに走ってくる。

だが、正面からと言うのは警戒心が足りていない!


「アースブレイク!」

「な、うわぁああ!」


私のアースブレイクは即席発動でも結構な広範囲攻撃だ。

破壊力も十分だし、私は剣を大地に突き刺すことをしなくても

このアースブレイクを発動させることが出来る。

足を使ってでのアースブレイク、私にはこれがある。


「皆!」

「う、うぅ…」

「ぁ…うぁ…」

「くぅ…」

「…お前達4人では、私には敵わない……この結果は分かりきってた。

 そして、師匠とフレイヤ様の2人なら、まだ私にも勝算はある」

「……早合点だな、まだ勝負は着いていないぞ?」

「何を言ってるんですか? もう、3人とも立ち上がれませんよ、あの傷では」

「お前はあの傷以上を負っても立っていただろう? 気合いを侮るな」

「…そ、そうよ、こ、この程度で…私達がギブアップするわけ無いでしょうが」

「は…い……先輩を…止めることを…この程度の怪我で…諦めるものですか」

「はぁ、はぁ…絶対に…止める!」


3人は自分の剣を大地に突き刺し、その剣を杖と、震えながら立ち上がった。

足はガクガクで手も震えてる、だが、その瞳は真っ直ぐ私を見据えていた。

ボロボロになりながら、目が虚ろになる事も無く、真っ直ぐに。


「……まだ、立つのか?」

「は、はん、い、一撃入れただけで、ちょ、調子に、乗らないでね…」

「ぜ、絶対に…止めるんだから…!」

「護る、護るん…だから!」

「……私も諦めないわ、あなた達が諦めないなら、私も諦めない!」

「……もう、もう立たないでくれ! もう、止めてくれ!」


なんでこんなに立つんだ、なんでここまで必死に…

私なんて居なくても! なのに、なんで…なんで!


「…さぁ、第2…ラウンドよ、エリス」

「もう! 私の邪魔をするな!」

「断りますよ…先輩、私は絶対に先輩を止めます!」

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